中国人民銀行(中央銀行)は2019年最初の勤務日に、ターゲットを絞った預金準備率引き下げの対象範囲を拡大した。専門家は、「今回の人民銀の優遇政策に対する微調整は、金融機関の小規模・零細企業に対する貸出の増加を一層奨励すると同時に、こうした企業の資金調達コストの低下をバックアップするものとなる」との見方を示す。新華網が伝えた。
人民銀は17年9月30日、金融包摂をめぐりターゲットを絞った預金準備率引き下げ政策を実施することを決定し、18年1月に施行した。当時の政策では、1口座あたりの与信限度額が500万元(1元は約15.8円)以下の小規模・零細企業への貸出、自営業者と小規模・零細企業への生産経営活動のための貸出、農家の生産経営、起業保証、貧困世帯支援、就学支援などのための貸出の増加額または残高が全体の増加額または残高のうち一定の割合を占める商業銀行にターゲットを絞って、預金準備率を引き下げるとしていた。
このたびの決定により、19年からは金融包摂をめぐるターゲットを絞った預金準備率引き下げの対象となる小規模・零細企業の貸出の審査基準が「1口座あたりの与信限度額が500万元以下」から「同1千万元以下」に調整された。金融機関が小規模・零細企業の貸出にニーズによりよく応えるよう誘導し、より多くの企業が恩恵を受けられるようにすることが狙いだ。
中信証券の固定収益分野のチーフアナリストの明明さんは、「このたびのターゲットを絞った預金準備率引き下げ対象の拡大により、引き下げを実施する商業銀行の範囲が拡大し、法定準備預金額の一部が市場に放出されて、流動性がさらに強化されることになる」との見方を示す。