人民銀の関係責任者がこのほど述べたところによると、「金融包摂をめぐるターゲットを絞った預金準備率引き下げが実施されてすべての大規模・中規模商業銀行、約90%の都市商業銀行、約95%の県エリア以外の農村商業銀行をカバーし、約4500億元の流動性が放出された」という。
業界関係者の説明では、「2018年には多くの銀行の金融包摂をめぐる貸出の残高または増加額が、人民銀のターゲットを絞った預金準備率引き下げの優遇政策の基準に達しなかった。今回の審査基準の調整後は、基準をクリアする中規模・小規模銀行が増加し、7千億元以上の流動性が放出する可能性があるとみられる」という。
一方で、市場には、「年初に大量の流動性を放出するというのは、金融政策の大規模な調整を意味するのではないか」との疑問も出ているが、実際はそうではない。中央経済政策会議は、19年も安定的な金融政策を引き続き実施するとの方針を明確にし、安定的な金融政策では緩和と引き締めを適切に行い、流動性の合理的なゆとりを維持する必要があるとの見方を打ち出した。またタイミングをみて事前の調整や微調整を行い、全体的なニーズを安定させるとしている。
明明さんは、「このたびの調整は政策の微調整に過ぎず、金融政策は安定を保っており、低コストの流動性を大量に放出して資金不足を補うだけのことだ。最近、人民銀は中長期の流動性の放出を強化する一方で、春節(旧正月、今年は2月5日)前後の短期の流動性の放出も合わせて行い、金利の安定をはかっている」と説明する。