地方経済工作会議に続き、地方「両会」も集中的に開催されている。多くの重要会議は、今年の経済発展の目標を打ち出した。
現在まで半数弱の省が省級「両会」を開催している。記者の調べによると、一部の地方は経済成長率の指標を引き下げ、高品質発展の強調を始めている。黒竜江省は今年の成長率の予想値を前年の6%から5%以上に引き下げ、中央政府の「八字方針」を実施し高品質発展を推進するとした。新疆ウイグル自治区は7%を5.5%に引き下げると同時に、革新駆動形発展戦略の実施を掘り下げ、高品質発展に新たな動力を注ぐとした。
先ほど開かれた地方経済工作会議も、高品質発展の方針を明らかにした。例えば河北省は高品質発展の推進を根本的な要求とし、山西省は高品質発展の原動力の強化の着手、製造業重点クラスタの育成、実体経済の高品質発展の推進を強調した。山東省は生態環境保護の経費を拡大し、グリーン産業の発展に力を入れ、高品質発展により多くの資源環境許容力を提供すると表明した。
注目すべきは、高品質発展の方向を定めると同時に、弱点補強の加速、効果的な投資の拡大の推進に力が入っていることだ。高速鉄道、空港、物流、公共サービスなどが重要な投資先になる。黒竜江省は、国によるインフラの弱点補強の拡大という重要なチャンスをつかみ、牡佳客運専線の建設を加速し、鉄力−伊春客運専線を新たに建設し、チャムス−鶴崗鉄道既存線の改築を開始し、ハルビンを中心に10の地級市とつながる「1時間・2時間経済圏」を構築するとした。北京市は、今年は科学技術革新戦略計画を強化し、10のハイテク産業発展政策を着実に実行し、5Gや産業インターネットなどの新型インフラの建設を加速すると強調した。
国家発展改革委員会(発改委)も極めて異例と言えるペースで、地方のインフラプロジェクトに集中的に許可を与えている。発改委は今年早々、江蘇省川沿い都市クラスタ都市間鉄道、武漢市都市レール交通第4期、金沙江拉哇水力発電所、連雲港軍民共用空港民間用部分移設プロジェクト、フフホト新空港、陝西西安咸陽空港3期拡張プロジェクト、湖北鄂州民間用空港プロジェクトなど複数のプロジェクトを批准した。投資額は合計で5000億元弱にのぼる。
高品質発展を求める一方で、投資の安定成長に取り組む。国家情報センター経済予測部上席エコノミストの宋瑞礼氏は、経済参考報の記者に「この両者間に矛盾はない。現在の投資の需要不足は、経済鈍化の圧力拡大の主因の一つだ。マクロ政策は反周期的調節を強化するが、当面の急務は投資の需要の安定だ」と話した。
中国の投資の需要は現在、依然として高い潜在力を秘めている。特に経済高品質発展を促進する投資分野に大きな不足が存在している。
宋氏は「新たな投資調整策が製造業の技術改造と設備の更新、AI、産業のインターネット、IoTなどの新型インフラの建設、及び都市間交通、物流、市政、公共サービス、農業などの弱点補強分野のインフラ投資を重点的に支持していることが分かる。これは投資の需要の安定にとって有利であり、経済高品質発展を効果的に促進でき、安定成長と品質調整という目標の効果的な統一を実現する」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年1月21日