プロジェクト・シンジケートは公式サイトで6日、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント元会長、英財務省元政務次官で、「BRICS」という概念を打ち出したジム・オニール氏の文章を掲載した。それによると、日本の経済発展は近年になり安定しているが、EU離脱後の英国は日本とのビジネス関係を強化する必要があるという。参考消息網が伝えた。
記事の要旨は下記の通り。
私は先月東京で、王立国際問題研究所と大和総研が開いた、英国のEU離脱後の日英関係に関する会議に出席した。ゴールドマン・サックスを6年前に退職してから初の訪日となった。それまで私は1988年より定期的に日本を訪れていた。そのためこの問題を超然とした立場から見ることができ、何か力になれるかもしれない。
労働生産性が向上
全体的に見ると、今年の日本はその他の先進国と比べ安定すると感じている。日本が10年後も引き続きG7の中で、1人当たりの実質GDP(物価上昇要素を考慮)でトップを維持できたとしても、私は意外だとは思わない。
確かに日本のこの10年間のGDP成長率は年平均でわずか1.1%となるが、日本では人口と労働力が減少しながらも労働生産性が上がっている。この国が人口問題に直面していることを考えれば、そのパフォーマンスはすでに長期的な成長の潜在力を上回っている可能性が高い。
また日本政府は外国人労働者を集める取り組みのPRを始めている。これは政府が、移民が未来の成長において不可欠になることをついに認識したことを示している。この兆しは少なくとも20年前から見られるようになった。ところが今になって振り返ると、欧州や米国がこのほどグローバル化に強く反発していることを考えると、長期的に移民を拒否してきた日本の戦略的な態度は、かつて思われたほど間違っているわけではなさそうだ。