ロシアの首都モスクワを訪れたならば、アルバート通りや赤の広場などのスポットの他に地下鉄の散策が欠かせない。
透き通り光り輝くシャンデリア、彩り豊かな壁画、さまざまな形の彫像が、美しい地下空間を作る。地下鉄車両に乗車すると、「ガタンゴトン」というリズムと共に、他にはない独特な駅を一つずつ通過する。このタイムトラベラーのような錯覚は、「最も美しい地下宮殿」と呼ばれるモスクワ地下鉄でしか味わえないかもしれない。
この1930年代に建設が始まった巨大な地下鉄網は、世界で最も忙しい地下鉄システムの一つになっている。今もなお拡大を続けるモスクワ地下鉄には、中国による建設の貢献が増えている。
中国鉄建は2017年に、モスクワ地下鉄環状線の4.6キロの区間の建設契約を結んだ。これには3駅の主体構造の施工と4つのシールド区間、9本の鉄道の施工が含まれる。ここは線路全体で施工条件が最も複雑な区間だ。
情報によると、中国鉄建モスクワ地下鉄プロジェクトの技術者と管理人は100人以上で、現場の施工人員は700人以上。中露の人員が半数を占める。
中国鉄建が自主設計・研究開発した「マリア号」など5台のシールドマシンが同時に地下を行き来している。これらのシールドマシンの名称は、ロシアの人気テレビドラマから来ている。これは多くのロシア人従業員から親しまれている理由だ。
中国の貢献がモスクワ地下鉄の建設を急ピッチで前進させている。中国鉄建モスクワ地下鉄プロジェクト責任者の薛立強氏は「12時間の最高掘進距離は21メートルで、1日の最高記録は35メートルだ。適切な時期を見計らい、毎月800メートルというロシアの同業者による最高記録に挑む」と話した。
中国鉄建は良好な評価と確かな施工技術により、ロシア側の事業主から信頼されている。中国鉄建は先月さらに、モスクワ地下鉄環状線東段の2.947キロの区間のシールド施工契約を結んだ。
モスクワのフスヌリン副市長は「中国鉄建はモスクワ地下鉄の建設に初めて参与する中国の施工業者として、多くの複雑な区間の建設を担当した。中国の建設者はモスクワ地下鉄の建設に新たな経験をもたらした。これから中国の提携先とさらに多くの協力を展開することに期待する」と述べた。
中国鉄建モスクワ地下鉄環状線南西段プロジェクトの初歩的な設計文書が先ほど、ロシア行政部門から一発で承認された。この設計文書によると、中国鉄建が担当するミチューリン駅は「中国風」のイメージによりモスクワ地下鉄に姿を現す。梅の花、雲、団寿、八仙模、チャイナレッドなどの要素が、「最も美しい地下宮殿」に中国の彩りを添える。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年3月18日