2000人弱の専門家 京津冀大気汚染の「病源」を正確に特定

2000人弱の専門家 京津冀大気汚染の「病源」を正確に特定。

タグ:京津冀 大気汚染源  

発信時間:2019-03-21 15:41:51 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


 近年、特に2017年以降、2000人弱の専門家が大気汚染の「病源」を特定するため難関突破に挑み、科学的な診断を踏まえた上で「処方箋」を出している。


 京津冀大気汚染の「病源」を正確に特定


 ー汚染源:石炭燃焼、工業、自動車、土埃が中心で、全体の9割前後を占める。


 ー排出量:京津冀(北京市・天津市・河北省)は産業構造が重工業に偏っており、エネルギー構造が石炭中心に、輸送構造が道路中心になっている。鉄鋼、コークス、ガラス、医薬品原料などの生産量が全国の4割以上を占めている。単位国土面積あたり石炭消費量は全国平均水準の4倍。大口材料の8割がディーゼルトラックで輸送されており、排出量が多い。


 ー季節別分布状況:暖房シーズンの影響を受け、この地域の秋・冬季のPM2.5、有機炭素、ブラックカーボンなどの月平均排出量は非暖房シーズンの1.5倍から4倍となっている。保定、濮陽、太原、陽泉、長治、晋城などの分散的な石炭消費量が多い都市では、秋・冬季に上述した汚染物の排出量がさらに多くなる。


 ー業界分布状況:鉄鋼及びコークス業界は主に唐山及び山西省・河北省・山東省・河南省の省境に分布しており、ガラス業界は邢台や淄博などに集中している。石油化学工業は主に淄博、天津、滄州、石家荘などに集中している。


 汚染物質の成分、どのような変化が?


 ー有機物の比率が低下中。


 PM2.5の成分の「ブラックリスト」のうち、首位は有機物となっている。現在まで測定されている有機物は100種以上に達し、主に分散的な石炭燃焼、自動車排気ガスなどの一次排出、揮発性有機化合物の二次転化となっている。分散的な石炭燃焼などの効果的な対策により、有機物の比率が低下している。


 ー硫酸塩の濃度と比率が大幅に低下。


 京津冀及び周辺地域の分散的な石炭燃焼の「ダブル代替」、石炭燃焼ボイラーと「散乱汚企業」(環境保護の基準に達していない、証明書や影響許可証をもたない、経営ルールに違反し、安全性に大きな問題がある製造業企業や末端のサービス業企業)の総合対策の効果が顕著で、硫酸塩の濃度と比率が大幅に低下している。


 ー硝酸塩汚染が深刻。


 観測期間中のデータ分析によると、京津冀及び周辺地域の硝酸塩による地域的な汚染が深刻だ。硝酸塩の絶対濃度と比率は硫酸塩を大きく上回り、PM2.5の最も主要な二次無機成分となっている。その濃度の急上昇は、PM2.5の爆発的な成長の重要要素の一つになっている。これは窒素酸化物の管理の強化が非常に重要かつ切実であることを示している。


 中国環境科学研究院の薛志鋼研究員によると、「2+26」都市の窒素酸化物の最も重要な出処は自動車で、32%を占めている。建設機械、農業機械、船舶、航空機などの排出は17%。電力及び熱供給業界は17%、その他の工業排出は20%。重点分野に的を絞り、窒素酸化物の排出削減を推進することが焦眉の急となっている。


 ーアンモニウム塩の排出に要注意。


 アンモニウム塩は「ブラックリスト」の4位につけている。共同難関突破専門家、中国農業大学教授の劉学軍氏によると、アンモニウム塩は主にアンモニアの二次転化により生じる。主な出処は農業用アンモニアの排出で85%を占める。うち畜産業が57%、アンモニア肥料の使用が20%。季節別に見ると、秋・冬季はアンモニアの排出量が少なく、夏季が多めだ。また農作物の茎などのバイオマス燃焼、ゴミ埋立場、汚水処理施設などもアンモニアを排出する。


 地域拡散の影響はどの程度?


 京津冀及び周辺地域の特殊な地形により、汚染物の地域拡散が汚染の急速な蓄積に大きな影響を及ぼす。難関突破の研究によると、西南通路(太行山前輸送帯)、東南通路(済南ー滄州ー天津輸送帯)、東寄り通路(燕山前輸送帯)の影響が大きい。京津冀及び周辺地域の各都市の汚染は、地域全体の拡散の影響を受ける。通年の平均「寄与度」は約20−30%で、重度汚染期間中の「寄与度」はそこからさらに約15−20%上がる。


 北京市の場合、重度汚染期間中の地域拡散の「寄与度」は最高60−70%に達する。うち中西南通路、東南通路、東寄り通路の影響が大きい。


 清華大学の王書肖教授によると、大気汚染は地域的な問題であり、京津冀及び周辺地域の同じ空気の流れにおける各都市の汚染物質が相互に影響を及ぼす。北京はその他の都市の影響を受け、またその他の都市に影響を及ぼす。大気品質は全員が一蓮托生であり、自分だけ影響を免れることはない。



「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年3月21日


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