国際通貨基金(IMF)は9日、最新の『世界経済見通し』を発表し、2019年の世界の経済成長率予想を3.3%に下方修正し、今年1月に発表した予想より0.2ポイント引き下げた。
IMFは報告の中で、グローバル経済の緊迫、金融環境の収縮、政策の不確定性の上昇などの複数の要因により、世界の経済成長率は2018年下半期から減速しているとした。2019年の成長率予想3.3%は2009年以来の最低値。IMFが2009年の経済成長率予想を下方修正したのはこの半年で3回目となる。
また報告は、今年の世界の経済成長率は鈍化するが、2019年下半期は回復し、2020年には3.6%に上昇すると予想。主な理由は、主要経済圏が緩和的な財政と金融政策をとるためで、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ停止、中国の財政と金融の刺激力拡大などが挙げられる。
IMFのチーフエコノミストのギータ・ゴピナ氏は同日の記者会見で、グローバル経済は「微妙な時期」にあり、下半期の回復予想には多くの「不確定要素」が存在し、イギリスの無協定「EU離脱」や米中貿易交渉状況などが不確定性に拍車をかけ、下降リスクをもたらす可能性があると述べた。
報告は、先進経済圏の2019年と2020年の経済成長予想率を1.8%と1.7%と予想。今年の成長率予想を1月より0.2ポイント引き下げ、来年の予想を維持した。ユーロ圏の今年の経済成長率予想については1.3%に0.3ポイント引き下げ、イギリスは1.2%に0.3ポイント引き下げた。
新興市場と発展途上経済圏の今年と来年の経済成長率については、0.1ポイント引き下げ、それぞれ4.4%と4.8%と予想。中国の経済成長率予想は6.3%に0.1ポイント引き上げ、インドの予想は7.3%に0.2ポイント引き下げた。
主要経済圏の中で、中国は今年の経済成長率予想が引き上げられた唯一の国である。
IMFは毎年春と秋の年次総会期間に上半期・下半期の『世界経済見通し』を発表し、半ばと翌年の初めにそれぞれの報告を更新する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年4月10日