モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSCI)は3月9日、傘下のMSCI全中国指数シリーズ(MSCI All China Indexes )を6月1日にMSCI中国全指数シリーズ(MSCI China All Indexes)に変更し、前者を廃止すると通知した。
4月12日には、各方面から意見を徴収し、MSCIは準備時間として変更日を11月26日に延期すると通知。MSCIは、今回の変更延期はMSCIのA株組み入れ拡大のリズムに影響しないと示した。
延期は投資家に順応期間を設けるため
MSCIアジア太平洋地域研究主管・取締役の謝征儐氏は取材に対し、「これはMSCI商品の調整に関する通知。2つの商品の投資における位置付けがやや重なっているため、MSCIは従来のMSCI All China指数を廃止することを決めた。MSCI China All Shares指数はより精確かつ代表的な全中国指数である」と述べた。
また、「実施延期はMSCI All China指数を使用中の投資家にMSCI China All Shares指数への移行期間を設けるため。この変更はMSCI指数の資金流入の追跡に大きく影響しない」と説明した。
A株に実質的な影響なし
申万宏源は、「MSCI All China指数」は市場が注目するMSCI新興市場指数に採用される「MSCI中国A株採用指数」とは異なる指数で、資金移動の追跡は主に採用指数を見るため、今回の指数変更時期の延期はMSCIのA株採用に影響しないとの見ている。
国金証券は、MSCIが指数変更日を延期したことはMSCIのA株採用の進展とそれほど関係なく、A株への影響はニュートラルだとした。
国盛証券は、長期的な外資流入は大きな動向、長い客観的法則で、短期的に国外の騒動がこのトレンドを変えることはないと見ている。現在、中国の資本市場の対外開放は全面的に加速し、国際資本の流入ルートは拡張している。中央経済活動会議は中長期的な資金導入に重点を置き、年初めのQFII投資枠の拡大は公式的に対外開放を継続する姿勢を表しており、外資の持ち株比率は引き続き上昇すると見られる。
全体的に見て、指数変更の目的は指数を時代の変化に対応させ、現在の投資環境に合わせることである。延期は主に一部の大型機関投資家に十分な調整期間を設け、事前に準備できるようにするためで、A株採用を遅らせることはなく、5月のMSCI第2回組み入れ拡大にも影響しない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年4月15日