9日付け英フィナンシャル・タイムズによると、JPモルガン・チェースは今月初め、中国の2019年の国内総生産(GDP)成長率見通しについて、従来予測の6.2%から6.4%に上方修正した。マクロ経済学者で英フルクラム・アセット・マネジメントの会長を務めるガビン・デイビーズ氏は、「中国経済のパフォーマンスが今年の世界経済成長を決定する」と指摘した。
中国物流購買連合会と国家統計局サービス業調査センターが先月末に発表した2019年3月の中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.5だった。続く今月1日に財新/マークイットが発表した3月の中国製造業PMIは50.8と、2月から0.9ポイント上昇。いずれも景気判断の節目となる50を上回り、景気拡大局面に入ったことを示した。
中国製造業の回復は投資の呼び込みや雇用の増加につながり、ひいては消費を拡大させることを意味している。また、「経済のバロメーター」といわれる中国株式市場が活性化し、口座開設数や稼働口座数の増加、1990年代生まれの「90後」に代表される最若年層による中国株式市場への参加につながると期待される。PMIと株式市場の2つの動きから、中国経済の回復基調が鮮明となっていることがうかがえる。