2017年12月、日本政府は「水素基本戦略」を発表した。水素の生産供給、水素の利用の2つの側面から計画を制定し、段階を追って多くの具体的な目標を打ち出した。30年に水素コストを1ノルマルリューベ(Nm3)あたり100円から30円に引き下げる。30年をめどに水素燃料電池車を80万台に増やす。水素を供給する水素ステーションを30年までに900ヶ所に増やす。水素燃料電池で走るバスを30年までに1200台に増やす、などの目標が含まれる。
東京の街中を歩くと、時々ガソリンスタンドの近くに「H2」という巨大な表示があるのを目にする。この表示がある施設には高圧水素を供給する水素ステーションがある。現在、日本にはこうしたステーションが約100ヶ所あり、その半分は株式会社タツノが製造したものだ。
株式会社タツノは1911年の創立で、最近は水素燃料電池車向けの高圧水素充填ステーションの開発・製造に力を入れている。同社の横浜工場を訪れると、同社が製造した日本初の水素屋内充填設備や水素供給設備の精度を測定する測量車を見ることができた。広報担当の森英泰さんは工場内にある水素充填ステーションで、「ガソリンスタンドに比べ、水素は圧縮されているので安全性や気密性に関する要求が高い」と説明してくれた。龍野廣道社長によれば、「中国は水素エネルギーなどの新エネルギーの発展をめぐって独自の優位性があり、新エネルギーの発展を非常に重視してもいる。日本は水素エネルギーの利用率を引き上げたいと考えており、中国との協力強化が必要だ」という。
14年12月、トヨタは燃料電池車の量産車「MIRAI(ミライ)」を日本国内で発売し、業界で広く注目を集めた。これは世界で初めて一般の消費者向けに発売された燃料電池車だ。3分間の水素充填で650キロメートルの走行が可能で、環境保護性能は完全電気自動車に近いが、航続距離はより長い。今年3月末現在、日本での販売量は2800台を超えた。ただ価格が高いことと水素充填ステーションの数が十分でないことが、水素燃料電池車の普及を制約するボトルネックとなっている。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年5月5日