「中共中央 国務院の都市部・農村部融合発展体制及びメカニズム及び政策体系の構築及び健全化に関する意見」が5日発表された。現段階の都市部・農村部融合発展推進のトップダウンデザイン文書である同意見には、どのような見所があるのだろうか。
見所その一 「3ステップ」で実現
国家発展改革委員会規劃司の責任者によると、都市部・農村部融合発展の体制及びメカニズム及び政策体系の健全化及び構築は、農村振興及び農業・農村現代化の制度的保障だ。
都市部・農村部融合発展の体制及びメカニズム及び政策体系の健全化及び構築は、第19回党大会による重大な方針であり、長期的な歴史的任務だ。同責任者は、「2つの百年」という奮闘目標を達成する戦略計画に基づき、農村振興戦略・計画と緊密に結びつけ、「3ステップ」に分け実現しなければならないと指摘した。
2022年までに都市部・農村部融合発展体制及びメカニズムを初歩的に構築する。都市部・農村部要素自由流動制度性ルートをほぼ敷設し、都市部の戸籍制限を徐々に解除し、都市部・農村部統一建設用地市場をほぼ形成する。金融の農村振興への支援力を大幅に強化し、農村部の財産権保護取引制度枠組みをほぼ形成する。基本公共サービス均等化水準を着実に高め、農村ガバナンス体制の健全化を続ける。経済発展地区、都市圏、都市郊外が体制及びメカニズム改革で率先して進展を実現する。
2035年までに都市部・農村部融合発展体制及びメカニズムをさらに改善する。都市化は成熟期に入り、都市部・農村部の発展の格差と住民の生活水準の格差が大幅に縮小する。都市部・農村部の秩序正しく流動する人口移動制度をほぼ構築し、都市部・農村部統一建設用地市場を全面的に形成し、都市部・農村部ファイナンシャル・インクルージョンサービス体系を全面的に構築する。基本公共サービス均等化をほぼ実現し、農村部ガバナンス体系をさらに改善し、農業・農村現代化をほぼ実現する。
今世紀中頃までに、都市部・農村部融合発展体制及びメカニズムを成熟・定着させる。都市部・農村部の全面的な融合、農村部の全面的な振興、全国民の富裕化をほぼ実現する。
同責任者は「改革の全体方針は、農業・農村優先発展の堅持だ。改革の足がかりとなるのは、農村振興戦略と新型都市化戦略の推進の調整だ。改革の目標は、都市部・農村部の発展の格差と生活水準の格差の縮小だ。改革のルートは、財産権制度及び要素市場化配置の改善を重点とする」と述べた。
見所その二 各種要素の農村への流動を促進
同意見は、都市部・農村部の要素の合理的な配置に有利な体制及びメカニズムを構築するとした。これには戸籍制度改革の力強い秩序正しい効果的な深化、一部特大都市以外の戸籍制度の規制緩和、政府・企業・個人が共同参画する農業移転人口市民化コスト分担メカニズムの構築・健全化が含まれる。また財政、金融、社会保障などの奨励策を制定し、各種人材のUターン・Iターン創業を促進する。農村契約地制度を改革・改善し、農村宅基地制度を慎重に改革し、集団経営性建設用地市場化制度を構築する。
清華大学政治経済学研究センターの蔡継明主任は「同意見が打ち出した戸籍制度改革などの措置は、これまでの改革の流れを踏まえたものだ。都市建設・発展・繁栄に貢献する外からの人口、特に農業移転人口に住居・教育・医療を提供し、老後も安心して生活できるようにする。都市化の水準と質を高め続け、都市の競争力と農村への還元の能力を強化する。工業化と農業現代化を完了するための条件をつくる」と述べた。
見所その三 農村発展の弱点補強を加速
都市部・農村部の公共サービスの不均等、インフラの大きな格差、産業発展水準の格差、都市部・農村部住民の所得格差といった問題に焦点を絞り、同意見は都市部・農村部基本公共サービスの包括化・共有化に有利な体制及びメカニズム、都市部・農村部インフラ一体化発展に有利な体制及びメカニズム、農村部の経済多元的発展に有利な体制及びメカニズム、農家の持続的な所得増に有利な体制及びメカニズムの構築と健全化を打ち出した。
国家発展改革委員会規劃司の責任者によると、都市部・農村部融合発展は農村部公共サービスの弱点補強を加速し、都市部・農村部基本公共サービス基準の統一化、制度の合致を推進する必要がある。公共インフラ建設の重点を農村に置き、先にメカニズムを構築してから建設工事を行う。都市部・農村部インフラの統一計画・統一建設・統一管理及び保護の実現を加速する。農村企業の利益と緊密に連結するメカニズムを改善し、農村部の経済多元化及び農業全産業チェーンの発展を実現する。国民中心の発展思想を実行に移し、勤労による富の蓄積を奨励する。農家の賃金性・経営性・財産性・移転性収入を全体的に高める。
見所その四 国家都市部・農村部融合発展試験区の設立の先行試験
同意見は、一定の基礎を備える市・県を選び国家都市部・農村部融合発展試験区を設立し、制度改革と政策の先行試験を支持し、全局面を見据えるとした。
試行の徹底は、改革の全局面に対して重大な意義を持つ。中国社会科学院人口・労働経済研究所の張車偉所長は「人口、土地、財政、金融、農村財産権、商工業資本の農村進出などの面で現在、多くの体制及びメカニズムの障害が存在する。試験区の設立は現行の体制及びメカニズムの束縛を打破し、改革の重点を明確にする。改革の道を探り、現場の模索のため効果的な場を構築する」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年5月6日