中国人民銀行(中央銀行)は5月15日付で、現地経営・県域サービスを展開する中小銀行に対し、低い預金準備率の適用を開始した。本県級行政区域内のみで営業、もしくはその他の県級行政区域に支店を持つ総資産100億元以下の農村商業銀行に対し、農村信用社と同等の預金準備率を適用する。現在は8%。中国人民銀行は、この措置により長期資金約2800億元をリリースし、全てが民営企業と小規模・零細企業向け貸出に充てられる見込みとしている。
中国人民銀行の責任者は、段階的に資金をリリースし、普恵(普遍的な恩恵の及ぶ)与信の拡大に充てるため、預金準備率の調整を5月15日、6月17日、7月15日の3度にわたり実施する方針を明らかにした。最初となる5月15日の預金準備率の調整後に、長期資金約1千億元がリリースされるとしている。
三度に分けることについて中国人民銀行政策司司長の孫国峰氏は、一気に実施して流動性が一部に蓄積することを避け、県域サービスを展開する農村商業銀行が与信の安定を保ち、正確かつ着実に長期資金をリリースし、全ての資金を民営企業と小規模・零細企業に充てるためと説明した。