中国科学院空天情報研究院が発表した情報によると、ナムツォで実施中の第2回チベット高原総合科学観測研究において、同研究院が開発したエアロスタット新技術が正式に応用され、23日未明に高度7003メートルに達した。この高度は同類・同サイズのエアロスタットによる世界記録となった。
科学研究者によると、同研究院は新技術サービスを活用し第2回チベット高原科学観測をサポートするため、「極目1号」「極目2号」「極目3号」という3種のエアロスタットを開発した。番号が大きくなるほど体積も大きくなり、滞空高度も高くなる。システムの複雑性と技術的な難易度も上がる。
記者の調べによると、今回の任務を遂行したのは高原体験版の「極目1号」で、体積は2300立方メートル。流線型のエアロスタットがチベット高原で使用されるのはこれが初で、科学探査機器を搭載し垂直方向の滞空観測が可能だ。今後のエアロスタットの開発に向け技術を模索し、応用を蓄積する。
「極目1号」と異なり、「極目2号」(開発中)は科学観測特化型で、第2回チベット高原科学観測向けに作られた。設計上の滞空高度は7000−7500メートル。「極目3号」(開発中)は技術突破型で、設計上の滞空高度はチョモランマを上回る。プラットフォームの技術の難易度、滞空高度、ペイロードで成果を手にすることができれば、画期的な進展となる。
記者の調べによると、科学観測隊員はこの記録を樹立するため、低温、酸欠、大吹雪、強い日差し、昼夜連続観測といった高原の各種試練を乗り越えた。前回の初の試験飛行において、「極目1号」は高度6608メートルに達していた。エアロスタットの浮上中、各種機器がナムツォ流域の大気物理及び大気化学などの各種データを同時に観測し、チベット高原の気候環境の変化に対する研究に根拠をもたらした。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年5月23日