米国のパデュー大学とCMEグループが4日発表した統計によると、中国と米国の経済・貿易摩擦の高まりと経済見通しに対する懸念拡大により、今年5月の米農家景況感指数は3年ぶりの低水準に急落した。
「パデュー大学-CME農業経済バロメーター」とは、米国の農業生産者400件を調査対象として、月次の農家景況感指数を算出したもの。今年5月の同指数は前月を14ポイント下回る101となり、2016年10月以降では最低の水準となった。
同指数の大幅な下落は、農家の現在と今後の経済状況に対する見方を表す現状指数と期待指数が共に低下したのが主因だ。また、農家の大規模投資の意欲を示す大農家投資指数も37に前月比で11ポイント低下し、2015年秋季以降の最低水準となった。
パデュー大学商業農業センター主任のジェームズ・ミンター氏は、中国と米国の経済・貿易協議には不確定な要素が多いため、米農家には選択肢がほとんどないと指摘。また、米国中西部と東部の平野が大規模な暴雨と水害にみまわれたことで、極端な天候がトウモロコシや大豆などの農作物の収穫量を減少させるとの見方を示した。
米国にとって中国は、最も重要な農産物の輸出先の一つだ。中国と米国の経済・貿易摩擦の影響を受け、米国は農産物の対中輸出を大きく減らした。米国大豆協会などの業界組織は、米国政府が経済・貿易摩擦を激化させれば、農家が犠牲になるという警告を何度も発している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年6月6日