希土類(レアアース)はすでに中米経済貿易摩擦の「キーワード」になっている。米国は中国がレアアース産業チェーンで主導的地位を占めていることを懸念している。米商務省は4日、国内のレアアース及びその他の重要鉱産物の生産を拡大するため緊急措置を講じるよう提案した。一部のレアアース研究専門家は5日、環球時報の記者に対して「米国のこの措置は中国のレアアースを念頭に置いている。法案の発表は米政府が現在のレアアース供給がすでに安全ではないと判断しており、またレアアース供給を非常に重視していることを意味する」と述べた。
レアアースの輸入依存を懸念
この「重要鉱産物の安全かつ信頼可能な供給保証の連邦戦略」と題した報告書は、米国が重要鉱産物の輸入に過度に依存していることを懸念した。中国もしくはロシアが長期的に米国やその同盟国へのレアアース輸出を停止すれば、長期的な供給中断により米国及び外国の重要鉱産物サプライチェーンが大きな衝撃を受ける可能性があるという。米商務省はこの報告書の中で、「米国は海外の重要鉱産物資源とサプライチェーンに過度に依存しており、これにより経済及び軍事の戦略的な脆弱性が生じうる」としている。
報告書の6つの全体行動指針
米商務省はレアアース問題を解消するため、新たに発表した報告書の中で、次の6つの全体行動指針を示した。(1)重要鉱産物サプライチェーンのモデルチェンジの研究、開発、展開を推進。(2)米国の重要鉱産物サプライチェーン及び国防産業基地を強化。(3)重要鉱産物関連の国際貿易・協力を強化。(4)国内の重要鉱産物資源への理解を促進。(5)国内で重要鉱産物資源を獲得する機会を改善し、連邦許可証の審査・批准期間を短縮。(6)米国の重要鉱産物資源の労働力を拡大。
ロイター通信は「同報告書は米国に対して、短期的・長期的措置を結びつけレアアース・サプライチェーンの安全を保障するよう呼びかけた。短期的な措置には備蓄の強化、長期的な措置には新たな鉱山の調査・設計・開発、国内川下製造業のサプライチェーンの再構築が含まれる」と論じた。
数多くの具体的な提案のうち、米国メディアが特に注目しているのは重要鉱産物の開発の壁の撤去だ。これにより許可が容易に得られるようになる。同報告書は、米土地管理局と林業局に対して、開発の対象外となっている地域、及び保護のため開発不可となっている地域を調査し、これらの規制を取消もしくは緩和できないかを評価するよう呼びかけている。これによって重要鉱産物の開発を促進する。
「米国製品の購入」は、同報告書の中で注目されている具体的な提案だ。同報告書は連邦政府の国内調達の評価を求めた。これには「バイ・アメリカン法」が含まれ、米国の重要鉱産物材料・資源及び国内川下製造業サプライチェーンをサポートする。