米国産業界の不満も積み重なっている。米国の追加関税の影響は多くのサプライチェーンに及び、リスクとコストを押し上げた。ここ2年のアルミへの追加関税は、米国のビール産業に深刻な打撃を与えた。ビールの業界団体は、「追加関税によるアルミのコスト増がビールメーカーの投資減少を招き、ビール関連の雇用が2016年の223万から2018年は219万に減少、4万の雇用機会が失われた」と非難した。
米国の自動車メーカーと家電メーカーも鉄鋼価格の高騰に怒りを隠さない。米フォード・モーターは、「米国政府の追加関税で同社は10億米ドルの損失を出し、大規模なリストラを実施する事態に陥った」と指摘。GMも同様の公告を発表した。
一方で、貿易相手の報復措置により多くの米国企業が輸出で損失を出している。米国化学企業の利益率は持続的に低下している。米国化学理事会のまとめによると、中米貿易摩擦により米化学工業産業は5万5千の雇用と180億米ドルの利益を失う可能性がある。
このほか、米国の消費者は日用消費財価格上昇の代価を支払わされており、現在は洗濯機や衣料品、玩具などに、数十億米ドルの費用を余分に支払っている。ニューヨーク連邦準備銀行は、米国政府の追加関税により米国の世帯支出が年間平均831米ドル増えるとの見通しを示した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年6月10日