コンビニやレストラン、ネット銀行などのシーンで、顔認証決済が静かに広がりをみせている。5Gの商用化に伴い、顔認識や音声コマンドといった様々な応用がこれまで以上にシームレスにつながり、顔認証決済を手軽に利用できるようにしている。
顔認証決済は向こう3年で爆発的に普及が進むとみられるが、消費者はそれがもたらす利便性を享受する一方で、「スキミング」被害に遭うリスクにも十分注意し、プライバシー保護を強化する必要がある。
顔認証決済はこの2年ほどの間に急速に普及。浙江省寧波市や湖南省長沙市など多くの都市で相次いで試験的に導入されてきた。中国建設銀行の現金自動預払機(ATM)では顔認証による引き出しが可能になったほか、光大銀行でも口座の登録や振替、オンライン融資などのシーンに顔認証を導入。支付宝(アリペイ)や財付通(テンペイ)など第3者決済サービス企業の間でも、顔認証決端末を導入する動きが相次いだ。
中国人民銀行(中央銀行)は2018年1月の時点で、『企業の口座開設サービス最適化に関する指導的意見』を発表。顧客情報の読み取りや収集、照合、口座開設といった事務処理の補助ツールとして、顔認証や光学文字認織(OCR)、2次元コードなどの技術を導入し、口座開設を進めるよう銀行に働きかけた。
中国の政府系シンクタンク、前瞻産業研究院の発表した顔認証業界の発展に関する現状報告書によると、中国の認証顔の市場規模は年々急速な拡大を続けている。2013年時点ではわずか8.61億元にとどまっていたのが、2018年には前年比26%増の約27.6億元と、急速に普及が進んでいる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年6月24日