「中米貿易摩擦の中心議題に関するシンポジウム」が20日、中国マクロ経済研究院の主催で北京で開かれた。中国国際経済交流センター、中国マクロ経済研究院から有識者らが多数出席し、グローバル化や中米両国の貿易経済関係、米国の政策、中国の機会といった議題について、突っ込んだ議論を交わした。
シンポジウムに出席した有識者らは、グローバル化は時代の流れであり、阻止することはできないとして、米国による反グローバル化の動きは失敗に終わるとの見方を示した。貿易戦争に勝者はなく、米国の単独行動主義的な動きは相手を傷つけるだけで何の得にもならず、米国がいかに中国を排除しようとも、中国の経済発展を止めることはできないとの意見が出された。
足元の世界の貿易構造には重要な変化が生じている。世界の貨物貿易のうち70%以上を中間財が占めるなど、世界各国は密接な関係にあり、お互いを切り離しては考えられないのが現状だ。グローバル企業の競争は単に資本と技術の力によるものでなく、サプライチェーンの標準や結びつき、バリューチェーンの中心をいかにコントロールするかが重要だ。
中国国際経済交流センターの黄奇帆副理事長は、「米国のやり方はグローバル化とは真逆で、サプライチェーンやバリューチェーンの発展の流れに背くものであり、世界貿易機関(WTO)の原則と完全に矛盾するものでもある。こうした流れに逆らう動きは相手を傷つけるだけで何の得にもならず、失敗に終わるだろう」と述べた。
中国マクロ経済研究院の畢吉耀副院長は、「中米両国の貿易経済協力はウィンウィンの関係であり、米国はそこから実利を得ているわけであって、『米国が損をしている』などという論調は全くもって成り立たない」と指摘した。