通年の都市部新規就業者数は1361万人で再び記録を更新し、都市部調査失業率は5%前後の低い水準を維持した。中国の雇用情勢は2018年に、喜ばしい成績を記録した。今年1−5月の都市部新規就業者数は597万人で、通年の目標を54%達成した。25−59歳の調査失業率が3カ月連続で低下した。中国の今年の雇用情勢は依然として好調である。
中国社会科学院人口・労働経済研究所の都陽副所長は「これらのデータは、中国の労働市場が十分な雇用水準に近づいており、国際市場の不確実性が雇用に目に見える衝撃をもたらしていないことを証明している」と述べた。
安定しつつ好転する中国経済は、雇用の確かな基礎を固めている。
中国労働・社会保障科学研究院の莫栄道副院長は「中国の経済規模は90兆元を突破しており、6%の成長率であっても絶対的付加価値は5兆4000億元だ。規模が大きければ、成長率がやや低下してもこれだけの価値が生まれるため、雇用拡大を支えることができる」と話した。
産業構造の改善も、経済成長の雇用へのけん引力を強めた。同じ1%の成長率であっても、第12次五カ年計画期間(2011−15年)の非農業就業者数は160万人増であったが、第13次五カ年計画期間(2016−20年)であれば180−200万人になる。これはサービス業の台頭によるものだ。統計データによると、第三次産業の付加価値100万元あたりの就業者数は8.1人で、第二次産業を1.6人上回っている。サービス業付加価値額の対GDP比は近年50%を上回り、就業者数が3億6000万人弱に達している。同じ数の雇用を生んでも、質向上の余地がさらに大きい。
新たな動力が活力を引き出し、雇用の幅広い空間を生み出している。
クラウドコンピューティング技術者、IoT設備取付・点検員、ドローン操縦士などの新しい職業が密かに生まれ、デジタル経済の就業者が1億9100万人に達している。新技術、新産業、新業態が近年力強く発展し、雇用空間を大幅に拡大している。中国経済発展新動力指数の2015−17年の年平均成長率は28%にのぼる。新動力の新規就業に対する寄与度は2018年に3分の2を上回った。
巨大な市場と地域の空間が、雇用に向けて強い潜在力を蓄積している。
育児、介護、観光、教育、フィットネスー市場構造を見ると、アップグレードを続ける旺盛な需要が、雇用に大きな余地を与えている。地域構造を見ると、資源が豊富で要素費用が低く市場の潜在力が高い中西部地区が、重要な産業移転「受け入れ先」及び雇用の「貯水池」になる。中西部地区の2018年の農民工の数は3.2%増の1億2044万人で、全国の2.6ポイントという伸び率を上回った。
改革のボーナスが引き続き引き出され、雇用の力強いエンジンになる。
登録資本登記制度改革、「多証合一」「証照分離」などの市場主体参入改革の実施ー「放管服改革」(行政のスリム化と権限委譲、緩和と管理の結合、サービスの最適化)を受け、今年1−5月の中国の新設企業数は286万社に達し、1日平均1万8900社となった。政策のボーナスを手にする民間企業と零細企業が雇用の中で、より重要な役割を演じるようになった。昨年12月の都市部民間企業就業者数は前年同月比5.7%増、個人事業就業者数は6.7%増となった。
生じうる波及の範囲を見ると、国際市場の不確実性の「雇用の大局」に対する影響は限定的だ。
まず、輸出がそれほど脆弱ではない。商務部研究院の梅新育研究員は「中国製品の外国市場における確かな競争力は、多くの市場関係者の想像を上回っている」と述べた。今年1−5月の中国の輸出額は、前年同期比6.1%増の6兆4987億元で高い伸び率を維持し、これを裏付けた。
次に、輸出は雇用の足をそれほど強く引っ張らない。内需の潜在力が近年引き出され、消費が経済けん引の「メインエンジン」になっている。輸出がけん引する雇用が全体に占める割合が低くなっている。さらに現在の中国において雇用の「主力軍」となっているサービス業は、製造業と比べて貿易の性質が弱く、影響を受ける可能性もより低い。
耐圧能力を見ると、中国は国際市場の不確実性が雇用に及ぼす影響に対処する十分な「カード」を持っている。
整った産業体制により、製造業の生産能力の粘着性が高く、雇用が失われにくくなっている。中国の堅固な産業の基礎、高い関連能力、日増しに高まる革新の実力により、製造業はモデルチェンジ・アップグレードの貴重な時間を手にし、多くの雇用を支え続けている。力強い国内市場は新たな需要を引き出し、より多くの雇用枠を創出する。
「友達の輪」が引き続き拡大し、中国の一部の国に対する貿易依存度を引き下げ、その雇用への影響を減らす。
対外経貿大学公共管理学院の李長安教授は「中国が提唱する一帯一路は近年広く認められており、協力によって多くの成果が得られた。これは貿易構造の多元化を促し、国際市場の不確実性に伴う雇用の減少を相殺する」と述べた。
莫氏は1−5月の雇用運行状況に基づき、今年の「都市部新規就業者数1100万人以上、都市部調査失業率5.5%前後、都市部登録失業率4.5%以内」という目標の達成は完全に可能と判断した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年7月2日