国家外貨管理局は17日、外国為替収支データ発表会を開いた。同局報道官、チーフエコノミスト、国際収支司長の王春英氏は記者からの質問に回答した際に、現在の中米経済貿易摩擦が中国の越境資金流動に与える影響は全体的に制御可能だと述べた。王氏の発言の要旨は下記の通り。
当局は中米経済貿易摩擦の中国の外為市場、越境資金流動、国際収支への影響を終始緊密に観測し、リアルタイムで追跡・評価している。
今年5、6月と2018年下半期の各方面の状況及び情勢を比較対照したところ、現在の中米経済貿易摩擦が中国越境資金流動に与える影響は全体的に制御可能であることが分かった。
王氏によると、この結論が導き出されたことには、主に次の2つの理由がある。
まず、中国の外為市場の雰囲気、市場主体の行為がより理性的で安定的になっている。今年5月に経済貿易摩擦がエスカレートすると、人民元の対米ドルレートの下げ幅及び元安の予想値は、昨年下半期を下回った。これを踏まえた上で、市場主体の対外収支行為の調整がより安定的になった。5、6月の総合的な状況を見ると、この2カ月の銀行の外国為替の売買の月平均赤字額は2018年下半期より44%減少している。銀行預託渉外資金受取・支払の月平均赤字額も2018年下半期より38%減少している。
次に、関税引き上げの影響を受けてはいるが、中国の国際収支の全体情勢は安定的かつ制御可能だ。昨年下半期から現在にかけて、米国の対中関税引き上げがエスカレートしているが、中国の国際収支は全体的に安定を維持している。