フレキシブルディスプレイ技術を搭載した折りたたみ可能な携帯電話が登場した。フレキシブルエレクトロニクスはこれでおしまいなのだろうか。もちろんそうではない。
第2回フレキシブルエレクトロニクス国際学術大会(ICFE 2019)がこのほど、杭州市で開かれた。浙江省フレキシブルエレクトロニクス・スマートテクノロジー世界研究センターはその席上、厚さわずか25ミクロン未満の2種類の柔軟チップを発表した。その厚さは人の髪の直径の4分の1弱で、折りたたみ可能だ。
フレキシブルチップの他にも、科技日報の記者は同センターで、フレキシブル超音波通信装置、フレキシブル高密度触覚センサー、柔軟ロボットなどさまざまなフレキシブルエレクトロニクス装置を目にした。従来の電子装置は冷たく硬い印象だったが、これらの電子装置はその柔軟な体によって親しみやすくなっている。
清華大学フレキシブルエレクトロニクス技術研究センターの馮雪主任は「現在のフレキシブルエレクトロニクス技術の全体的な方針は、硬い電子部品を柔軟にし、電子システムの物理的な硬さを変えることだ。こうすることで電子システムが人やモノ、もしくは環境と効率的に融合し、機能拡張を実現できる」と述べた。
清華大学材料学院の沈洋副院長は「現在の圧倒的多数の電子技術はシリコンチップに基づくものだ。シリコンに柔軟性を持たせることができれば、既存の電子システム加工技術を基礎とし、スムーズに多くの電子部品を柔軟にすることが可能だ」と紹介した。