パキスタン・パンジャーブ州南部の都市サディカバードで11日、旅客列車と貨物列車が衝突、少なくとも18人が死亡し、84人が負傷する事故が起きた。同日の午前にも旅客列車の走行中に連結が外れる事故が起きた。
2件の事故を受けて、同国のイムラン・カーン首相はラシッド鉄道相に緊急措置を講じるよう指示。数10年にわたって保守体制の構築が疎かにされてきたことで、鉄道インフラに隠れたリスクが存在するとして、これを解消するとともに輸送安全基準を向上するよう求めた。
パキスタンで立て続けに起きた2件の鉄道事故は、鉄道の老朽化や管理水準の低さ、輸送能力の低下といった現状を映すものだ。
こうしたなか、中国主導の鉄道路線「ML-1」の高度化改修プロジェクトに熱い期待が集まっている。同路線は北西部ペシャワルと南部カラチを結ぶ鉄道路線で、完成すれば、これまで手付かずだったパキスタン鉄道の近代化が一気に進む大きな節目になるとみられる。
中国とパキスタン両国は今年4月、鉄道路線「ML-1」の高度化改修プロジェクトを実施することで合意。ペシャワルとカラチを結ぶ全長1872キロの路線が対象で、線路柵の全面設置や、現行の時速60キロから120~160キロへの大幅引き上げが盛り込まれるなど、近代化に弾みがつくと期待される。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年7月20日