米政府は先ほど、いわゆる世界貿易機関(WTO)の改革推進の覚書に署名し、「途上国」と自己申告しているが「経済指標がそれに合致しない」加盟国に対する優遇を停止するよう求めた。また90日内に「実質的な進展」がなければ、米通商代表部(USTR)は行動に出る可能性があると強迫した。米国の国内法をWTOルールの上に置き、優遇を問題視するような覇権主義的なやり方が支持されることはない。
途上国優遇はWTOに加盟している多くの途上国の基本的な権利であり、WTOの基本原則でもある。この原則は途上国と先進国の能力の格差を十分に考慮しており、多国間貿易体制の包括性を示し、世界各国の長期的な利益に合致する。
この覚書は中国などの途上国を問題視し、「現在の経済指標は中国が途上国ではないことを証明している」としている。米国側が「損」をしている、というわけだ。ところが実際に客観的かつ全面的に見ると、中国を含む途上国が経済・社会の長期的な進歩を実現しているとは言え、先進国との発展の格差は依然として大きい。例えば中国は世界2位の経済国になっているが、2017年の1人あたりGDPは米国の15%のみだった。2017年に手にした知的財産権使用料は47億ドルで、米国の3.7%のみだった。中国の発展は不均衡と不十分の問題が際立っており、現行の基準ではまだ1000万人以上の農村貧困人口が存在する。全体的に見ると、中国は依然として世界最大の途上国だ。米国は途上国のコップに入った水が以前より増えたことばかりに注意しているが、まだコップに半分の空きがあることを故意に見落としている。この意図的な誇張と無視は事実と合致せず、信用できない。
中国は途上国としてWTOに加盟したが、途上国優遇を「盾」にしたことは一度もなく、自国の発展水準と能力にふさわしい責任と義務を積極的に担っている。加盟から10年以上に渡り、中国はさまざまな約束を全面的に履行し、多国間貿易体制を積極的に守り、世界の貿易及び投資の自由化・円滑化に重要な貢献を成し遂げている。これは国際社会から広く認められている。その一方で米国は自国の利益のためにWTOルールを野蛮に踏みにじり、多くの途上国の利益を損ねることも厭わず、多国間貿易体制及び開放型世界経済に暗い影を落している。この時代の流れに逆らう私利私欲に基づく行動は、各国から必ず反対される。狙い通りになることは決してない。
第12回中米経済貿易ハイレベル協議が間もなく開催される。この重要な時期に米国が別の問題を作り出したのは、交渉の武器を増やし、中国側に圧力をかけるためだ。このようなテクニックは新鮮なものではなく、奏功したこともない。協議するならば協議すれば良い。わざわざ事を構え問題をこしらえても、中国が恐れることはない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年7月29日