中国人民銀行(中央銀行)の易綱総裁は5日、「このほど国際経済情勢と貿易摩擦に新たな状況が生じ、それに伴い市場の見通しにも変化が生じている。この影響を受け、8月に入り多くの通貨の対米ドルレートが下落している。人民元レートも一定の影響を受けている。この変動は市場が促し、左右するものだ」と述べた。易氏は中央銀行のウェブサイトを通じ、次のように表明した。
中国は責任ある大国として、G20サミットの為替レート問題に関する約束と精神を守り、市場が決定権を握る為替レート制度を堅持する。通貨安競争を行わず、為替レートを競争目的に使用せず、また為替レートを貿易紛争などの外乱に対応するツールとすることもない。人民銀行はこれまで、人民元レートが合理的かつバランスの取れた水準で安定を維持するよう取り組んでおり、この努力は周知の事実だ。
中国経済は現在、安定しつつ前進しており、経済成長率は主要経済国の先頭集団に入っている。高い柔軟性と潜在力、操作の幅広い余地を示している。国際収支は全体的にバランスが取れており、外貨準備高が十分で、外為市場でヘッジを図る企業が増えている。中国と主要先進国とのスプレッドは適切な範囲内で、人民元レートの安定を支えることができる。
人民銀行と国家外貨管理局は外貨管理政策の安定性と連続性を維持し、企業や個人などの市場主体の合理的かつ合法的な外貨使用の需要を保障する。外貨分野の改革開放を掘り下げ、越境貿易及び投資の自由化・円滑化水準をさらに高め、実体経済の発展及び国の全面的な開放の新構造に貢献する。
中国経済のファンダメンタルズから見ても、市場の需給バランスから見ても、現在の人民元レートは適切な水準だ。このほど外部の不確実要素の影響を受け人民元レートがやや変動しているが、私は人民元が強い通貨であり続けることに自信を持っている。人民銀行には外為市場の安定運行を維持し、人民元レートの合理的かつバランスの取れた水準の安定を維持する経験と能力が完全にある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年8月6日