中国人民銀行の関連責任者が5日、人民元レートに関する記者からの質問に回答した。
記者:人民元レートはなぜ7元台に下落したのか
答え:一国主義と保護貿易主義の措置、及び中国に対する追加関税の予想などの影響を受け、人民元の対米ドルレートがやや低下し、7元台に下落した。しかし人民元は通貨バスケットに対して安定と元高を維持している。これは市場の需給と国際為替市場の変動を反映している。
中国は市場需給を基礎とし、通貨バスケットを参考に調節・管理する変動為替相場制を実施している。市場の需給は為替レート形成の決定的な力を発揮し、人民元レートの変動は変動為替相場制のメカニズムによって決まる。世界市場の角度から観察すると、通貨間のレート変動も常態であり、変動があって価格メカニズムが初めて資源配置と自動調節の効果を発揮できる。過去20年間の人民元レートの変動を振り返れば、1ドル=8元台の時期、それから7元台、6元台の時期もあった。現在はまた7元台に戻っている。説明が必要だが、人民元レートの7元台の「7」とは年齢のような取り戻せないものではなく、またこの堤防を突破すれば水が溢れかえるというわけでもない。「7」とはダムの水位に近く、増水期はやや高めになり、渇水期になるとまた下がる。上下に変動し、いずれも正常だ。
このほど人民元の対米ドルレートがやや低下しているが、歴史的に見ると人民元レートは全体的に上がっている。国際決済銀行が計算する、過去20年間の人民元名目実効為替レートと実質実効為替レートは30%ほど上昇している。人民元の対米ドルレートは20%上昇し、国際主要通貨のうち最も強い通貨になっている。人民元は今年、国際通貨体系において安定的な地位を維持しており、通貨バスケットに対しては元高となっている。CFETS人民元指数は0.3%高となった。年初から8月2日にかけて、人民元の対米ドルレート中間値は0.53%安で、同期の韓国ウォン、アルゼンチンペソ、トルコリラなどの通貨の対米ドルレートの下げ幅を下回った。新興市場の通貨の中では安定的な通貨であり、ユーロや英ポンドなどの準備通貨より強い。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年8月5日