中国の25兆ドル規模のモバイル決済は、国全体のサービス業を変えた。Nikkei Asian Reviewが23日に伝えた。
記事の要旨は下記の通り。
アリババが本社を置く浙江省杭州の余杭第一人民医院では、密かに変化が生じていた。中国各地の公立病院の「象徴」である長蛇の列が消え、会計窓口でも人影はまばらだ。病院側が顔認証による予約から診察、支払いまで「手ぶらサービス」を導入したためだ。
調査によると、昨年の中国のモバイル決済は178兆元に達した。路傍の屋台、自動車購入、医療サービスなど、モバイル決済の成長が続く。
それぞれ10億人規模の利用者を抱えるアリババとテンセントは、中国のモバイル決済総額の9割を占めている。この2強の決済サービスは中国人消費者をキャッシュレス化させ、この金融インフラに依存する店を増やした。
英調査会社RBRによると、世界のカード決済は2017年に25兆ドルを超えた。単純比較はできないが、中国のモバイル決済総額とほぼ同規模に当たる。
康小輝さん(28歳、音訳)は、アリババのフードデリバリーサービス「餓了么」の宅配員で、上海で働いている。勤務開始から1年後、月給は6-7000元に達した。「実家の安徽省ではこれほどお金になる仕事がない」
日本経済新聞が上海、江蘇省、浙江省などの50人余に実施したアンケートでは、過去1カ月に現金を一度も使わなかったとの回答が4割に上った。中国の都市部住民は現在、現金をほとんど使用しない。江蘇省南京のソフトウエアエンジニア、胡明強さん(28歳、音訳)が過去1カ月に現金を使ったのは、飲み物5元と駐車料金20元だけだという。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年9月24日