国際通貨基金(IMF)は15日に最新の「世界経済見通し」を発表し、今年の世界経済成長率の予測値を3%に引き下げ、2008年の国際金融危機後で最低の水準とした。IMFは5回連続で今年の世界経済成長率の予想値を引き下げた。
注意すべきは、貿易摩擦が報告書の目立つ位置で取り上げられたことだ。報告書は世界に対して、貿易情勢の悪化による世界経済の減速に警戒が必要であり、理性的に方針を決定し自信を取り戻すべきという情報を伝えた。
「貿易の苦しみ」に対応するためには、実際の行動により貿易摩擦の解消に取り組み、世界経済への影響を弱めるべきだ。IMFのデータによると、2020年までに世界経済は貿易摩擦により約7000億ドルの損失を生む可能性がある。これは世界のGDPの約0.8%に相当する。
直近の中米経済貿易ハイレベル協議には実質的な進展があった。中米2大国は着実な行動により貿易摩擦を解消することで、世界の市場から積極的な反応を得た。中米経済貿易関係の適切な処理は中国・米国・世界の平和と繁栄に資するという中国側の主張は、米国側から称賛された。双方は実質的な第一段階の合意に至り、世界経済に貴重な自信を注ぎ込んだ。
「貿易の苦しみ」に対応するためには、世界の多国間貿易メカニズムの権威を共に守らなければならない。各国は手を携え、世界貿易機関(WTO)を軸とする多国間メカニズムのより健全な運行を実現し、世界の貿易発展により良い制度保障を提供するべきだ。
「貿易の苦しみ」に対応するためには、積極的に自由貿易を推進し、世界貿易の成長空間を拡大しなければならない。共に世界経済というパイを拡大することが、各国にとって理性的な選択肢だ。
今年のアフリカの世界最大の自由貿易区の建設、メルコスールとEUの長期的な交渉の終了、それからASEAN10カ国による東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の交渉の加速は、自由貿易を促進するための確かな努力だ。アルゼンチンの経済学者のジョージ・カストロ氏が指摘しているように、これは経済グローバル化が不可逆的であり、多国間主義が依然として世界の主流であることを示している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年10月17日