中国の消費財市場は近年、全体的に安定し、消費構造の合理化・グレードアップが進み、消費の経済成長における基本的役割が表れている。グローバル経済環境が複雑に変わる中、中国経済は外部ニーズの不確定性の向上に直面し、確実な消費ニーズで経済成長をけん引し、消費の潜在力を引き出し、サプライサイド構造性改革を推し進める必要がある。
中国に消費ニーズが経済成長を牽引する動きが形成されている。2019年第1~3四半期、消費支出の経済成長寄与度は60.5%に達し、上半期より0.4ポイント上昇し、資本形成総額および貨物・サービス輸出の経済成長寄与度を大幅に上回った。サプライサイドを見ると、市場供給方式が革新され、インターネット小売規模は引き続き拡大し、19年第1~3四半期の全国の実物商品ネット小売額は2018年の80%以上を達成し、消費財産業の中で新興消費と密接に関わる業種の付加価値は急増した。これらの状況は、消費ニーズが順調に拡張し、中国の経済成長の靭性が高まり、マクロ経済政策の回転余地が大幅に拡大したことを示す。
休日夜間消費の原動力が引き続き放出されている。消費はちゅごくのマクロ経済運行指標の注目点であり、休日は消費の原動力の放出を促す。今年の国慶節連休、伝統的な買い物と飲食は注目点となり、文化観光消費は勢いよく増加し、夜間経済が活性化した。統計によると、国慶節連休の中国国内の観光収入は前年同期比8.47%増、映画興行収入は120.9%増、全国小売・飲食企業の売上高は8.5%増を実現した。これらの状況から、中国人の消費は品質重視と多様化の方向に発展し、休日と夜間経済の勢いは住民消費のグレードアップによる結果だとわかる。
今後、消費による経済成長のけん引を引き続き強固する必要がある。中国の家庭の預金残高は現在の為替レートで換算すると10兆ドルに達し、消費の潜在力は非常に大きい。しかし、中国の消費潜在力の放出を制約する要因も存在する点にも目を向けなければいけない。消費グレードアップとサプライサイド構造性改革を正確に連携させ力を発揮させるには、消費市場の任務は重く遠く、消費金融はチャンスと試練に直面する。
消費の原動力、消費意欲、消費効果、消費保障の4つの面から、消費ニーズの拡張を引き続き強固する必要がある。1つ目は、就職の安定、消費の原動力の増強。就職は消費の基礎であり、減税と政策支援を通し、企業の人件費の負担を削減し、企業の労働力を安定させる必要がある。また、起業支援、職業教育と育成を強化し、構造性の摩擦からの影響を極力減らす必要がある。2つ目は、社会保障の改善、消費意欲の向上。中国都市部の消費伸び率が農村部より低いのは、高い不動産価格が消費を占めているためであるそのため、社会保障体系を整備し、政策面から住宅保障を推進し、住民の消費に対する不安を減らし、消費余地を増やす必要がある。3つ目は、効果的な供給の強化、消費満足度の向上。サプライサイド構造性改革を加速化し、住民の消費グレードアップを供給目標とし、製品とサービスの供給構造を改善し、質を向上させ、消費者の品質に対するニーズを満たして満足度を高める。4つ目は、理性的な消費の促進、消費保障の強化。社会の理性的な消費を奨励し、消費の権益保障を強化し、消費増加の安定性と持続性を維持する必要がある。
我々は消費の経済成長における基本的役割を効果的に発揮させ、消費の安定した増加という良好な状況を継続させ、消費ニーズによるサプライサイド構造性改革のけん引力を引き出し、産業モデル転換・グレードアップを促進し、製品の供給構造を改善し、国内市場を大きく強くする必要がある。これは中国経済の靭性を持続的に高め、各種の複雑な内外情勢に適切に対応することにつながる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年10月27日