ロボットはスマート製造を支える基礎的な設備で、製造業の発展水準を示す重要なバロメータだ。スマート製造技術の発展、ロボット応用分野の持続的な拡大を受け、ロボットに仕事を奪われることを懸念する人も少なくない。ところが記者の調べによると、ロボットの発展・応用における重要な要素は人材となっている。ロボットが人の仕事を奪う一方で、高素養の複合型技能人材の旺盛な需要が存在する。
全国総工会労働・経済工作部の姜文良副部長は、「産業用ロボットは現在、主に次の2つの問題に直面している。まず自動化スマート生産ラインの発展に伴い、多くの手作業がロボットによって行われるようになる。次に労働者の技能により高い要求を突きつける。労働者の知識構造、技能構造を絶えず改善しなければならない」と指摘した。
埃夫特智能装備股份公司の許礼進董事長は記者に「現在は苦しく疲れる汚い仕事は、高待遇でも人が集まらず、ロボットの切実な需要がある。バスルーム、陶磁器、家具などの企業は労働者を有毒・有害の工程から引き離す。ロボットを導入することで、塗装、研磨、輸送などを行える。しかしロボットは人の操縦とメンテナスを必要とする」と話した。
技能人材の育成を加速するため、このほど「技術労働者の待遇改善に関する意見」「国家職業教育改革実施案」などの政策文書が発表された。政策の実行に伴い、技術労働者の地位が上がる。多くの大学と企業が投資を拡大し、複合型技能人材の育成に取り組むようになる。
学校と企業の協力、産業と教育の融合、人材育成と市場の需要の正確なマッチングは、スマート製造分野の人材育成の効果的な方法になっている。中徳棟梁工業・教育研究院の刁秀珍院長は「生産性学習により、学生は自らの知識と操作により完璧な製品を生産し、学校と生産現場の距離を縮めることができる」と述べた。
専門家も「世界と合致する標準の制定、教員チームの育成とレベルアップも、業界の現在の複合型技能人材育成の重要内容となっている」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年10月30日