米国では毎年、感謝祭からクリスマスの年末休暇までがショッピングシーズンとなり、大多数の書店も一年で最も忙しい時期を迎える。しかし、米ノースカロライナ州チャペルヒルにある「フライリーフ・ブックス」店長のジェイミー・フィオッコ氏は今年の年末商戦が不安で仕方ないという。
これまで「フライリーフ・ブックス」の売り上げは年末商戦が3分の1を占めていたが、米国政府が中国に対して追加関税を課したため、書店は今年かなり厳しい状況に追い込まれた。フィオッコ氏のもう一つの肩書はアメリカ書籍業協会(ABA)会長であり、彼女の懸念は同協会加盟の全米2000軒余りに上る書店が直面する共通の苦境を映し出している。
米国政府は国内外の強烈な反対を顧みず、9月1日付で中国から輸入する一般書籍と料理レシピや旅行ガイド、アート作品などのカラー書籍に15%の追加関税を課すと共に、12月15日から児童読物にも追加関税を課そうとしている。
米国の印刷業は1980年代から徐々に海外へ移転し、国内の生産能力はすでにかなり縮小した。大手出版社ペンギン・ランダムハウスCEOのマドレーヌ・マッキントッシュ氏によると、同社は毎年、中国で約9400万冊の書籍を印刷している。
米国出版社の中国に対する依存度はカラー印刷の方が大きい。ABA副会長でグローバル政策を担当するルイーザ・シンプソン氏は、中国から輸入するカラー書籍が米国の輸入総量の7-8割を占めていると説明した。
フィオッコ氏は、今年の年末商戦に対するマイナスの影響は避けられず、両国が早期に貿易協定をまとめることで不確定性が排除され、来年の販売が改善することを望むとしている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年11月22日