5G商用化が進む中、携帯メーカーはチップ関連の取り組みを強化している。メディアの報道によると、アップルは3年内に5Gベースバンドチップを開発する可能性がある。国内メーカーのvivo、OPPO、ファーウェイなどもチップの開発を強化する。
これまではチップメーカーがチップを提供し、携帯メーカーがこれを調達するという、安定的な協力関係が維持されていた。それでは携帯メーカーが最近、チップ開発に急に取り組みだしたのはなぜだろうか。
まず、アップルの教訓により、多くの携帯メーカーが警戒を強めている。第4世代のiPhoneから、アップルはクアルコムのベースバンドチップの全面的な使用を開始した。クアルコムはiPhoneの重要な部品サプライヤーになった。ところが近年、両社は特許問題により日増しに溝が深まった。アップルはクアルコムとの紛争により、5Gスマホの「始発列車」に乗り遅れ、サムスンやファーウェイなどより1年遅れで5Gスマホを発表することになった。アップルほど強いメーカーであっても、中核技術で他社からの制限を受ければ、企業の戦略展開に影響が生じる。これは深い教訓であり、アップルの経験はその他の携帯メーカーに対しても警鐘を鳴らした。
次に、チップ開発に取り組むのは、携帯メーカーがより大きな発展を実現するためだ。新しい移動通信技術が登場するたび、携帯電話市場では新たな再編が生じる。大手が5G時代及び未来の6G時代に市場で足場を固め、さらなる発展を目指すためには、チップの自主開発能力を把握しなければならない。
最後に、チップ開発はスマート時代の企業が製品生態圏を構築するため必要だ。世界のスマホ市場は現在飽和に向かっているが、IoT市場の需要は旺盛だ。関連データによると、世界のIoT産業の規模は2020年に1兆2000億ドルに達する見通しだ。大きな市場のチャンスは、自ずとメーカーの視線を引きつけた。トップの携帯メーカーは、スマホが「指示」を出すプレイヤー、ブレスレット、ドアロックなどのIoT端末をめぐり、激しい争奪戦を展開する。携帯メーカーがこれらの製品の応用においてチップを自主開発できれば、自前のチップを基礎とする製品生態圏を構築できる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年11月21日