仏経済紙『Les Echos』は11月20日にウェブサイトで、「『過去最高の経済』:米トランプ大統領のうそ」というタイトルの記事を掲載した。英IGグループ市場分析主管のアレキサンダー・バラディ氏が書いた記事は以下の通り。
米トランプ大統領がツイッター上やメディアに対し、米国経済のパフォーマンスがかつてないほど良いと発言するのを聞くたびに、人々はそれが真実と信じるかもしれない。しかし、実際は全く違う。
ドナルド・トランプ氏が米大統領に就任して以降、米国の経済成長率のピークは2018年第2四半期の4.2%だ。今年に入ってからの成長率は第1四半期が3.1%、第2四半期が2%、第3四半期の速報値が1.9%となっている。史上最高?全くそうではない。
まだある。ニューヨーク連邦準備銀行は今年第4四半期の成長率をわずか0.4%と予想し、これは2015年第1四半期以来の低水準に相当する。つまり、トランプ大統領の就任後では最低の成長率だ。採用する予測モデルに誤差があったとしても、アトランタ連邦準備銀行も同じように第4四半期の成長率が0.3%で、2015年初め以来の低水準にとどまると予想している。
しかし、トランプ大統領は経済と株式指数のパフォーマンスをもとに、米国がいまだかつてない時期を経験しているかのような雰囲気をつくりだしている。