華中科技大学が8日に開催した天琴空間科学任務シンポジウムによると、中国の宇宙重力波観測計画「天琴計画」チームは今年6月8日から、レーザー光を用いた地球と月の距離の測定に複数回成功し、中国で初めて月面に設置された5つのレーザー光反射鏡すべてから反射シグナルを受けることができた。これは中国を含む世界の5つの国に月レーザー測距技術が備わったことを意味する。
月レーザー測距技術は、パルス状レーザー光を照射して地球と月の距離を精密に測定するもので、「天琴計画」の重力波観測に欠かせない重要な技術だ。中山大学珠海キャンパスにある天琴計画レーザー測距ステーションでは、1年以内にステーションを完成し、高精度な月レーザー測距を実現したが、これは「天琴計画0123」ロードマップの「ステップ0」にあたる。「天琴計画0123」ロードマップの「ステップ1」は、未来に向け国内初となる宇宙重力波観測技術試験衛星の打ち上げを今年末に行う計画だ。
「天琴計画」は、中国科学院会員の羅俊氏が2014年3月に華中科技大学で開かれた国際会議で提起したもので、中国が主導する国際的宇宙重力波観測計画だ。羅俊氏は1994年に華中科技大学重力センターで宇宙重力波の観測研究を開始し、20年以上にわたり重要な技術を蓄積、多くの優秀人材を育成した。今回の天琴空間科学任務シンポジウムには、国内外の42の大学や研究機関から約300人の学者が参加した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年12月9日