中国財政部と国家税務総局は3日、『中華人民共和国消費税法(意見募集稿)』を発表し、意見公募(パブリックコメント)を開始した。
「意見募集稿」は、地方税体系の整備に向けた改革の要求に基づき、税の徴収管理がコントロール可能という前提で、生産(輸入)段階で徴収している現行の消費税の対象品目の一部について、徐々に卸または小売段階での課税に移行することで、地方政府の財源を拡大、地方の消費環境の改善を促す方針を提起した。具体的な品目の調整については、充分な論証を経て、承認を得てから着実に実施する。先ずは、高級腕時計や宝飾品など、条件が完全に整った品目から改革を実施、その他の条件を備えた品目については消費税立法と絡めて改革の試行を実施していく。改革で調整する既存部分の数値については地方政府から中央政府に引き渡し、新規増加分は原則として地方政府に帰属させることで、中央と地方の財政構造の安定を確保する。
中国財政予算成果専門委員会副主任の張依群氏は「証券日報」の取材に対して、「消費税立法は税収法定主義の原則に則った大きな進歩であり、国務院の権限で消費税改革の試行を進める点から見れば、消費税改革はまだスタート地点にあると言える。税目・税率は徐々に調整を進め、エネルギー消費や資源保護などに関する一部の商品が消費税の課税対象となる可能性がある。税率は全体的な安定を維持したうえで適度に調整し、消費税による経済調整や消費行動を誘導する機能を一段と発揮させる考えだ」と述べた。
国務院は10月9日に発表した『より大規模な減税・費用削減実施後の中央・地方の政府収入区分調整の改革推進方案』(以下、方案)で、「後の段階に移行する消費税の徴収については緩やかに地方政府に振り分ける」と提起した。ある機関の解説では、「白酒(蒸留酒)産業は、タバコなどと同様に消費税が引き上げられ、課税が消費者段階にまでに移行すれば、産業全体の消費税負担が重くなり、その影響で白酒産業全体の市況が大幅に悪化する可能性がある。現時点で、白酒の税率引き上げはまだ消費者段階まで至っておらず、市場の白酒セクターにとっては確実に活力剤になる」という。