この数年、世界のファッション界では中国スタイルが流行している。服飾は、流行の動きを観察するのに最も適切な手段の1つだ。中国要素を持つ服が、西洋のセンスある人々の間で流行している。東洋式の優雅さは、中国のファッションデザイナーたちが世界に進出する際の華麗な武器となる。また巨大な中国消費市場は、世界の有名ファッションブランドにとって巨大なケーキでもある。海外メディア報道をみると、中国は世界のファッション動向を牽引するキープレイヤーになっていることが分かる。
SNSで東洋から世界へ
シンガポール紙「聯合早報」のウェブ版記事は、「国際ファッション界の最近の流行を総括すると、“中国スタイル”がキーワードとなる」と評する。中国要素を加えたファッションは、この数年の国際ブランドでよくみられるデザイン手法だ。ファッションショーのウォークウェイでは、中国要素が盛り上げの手段になっている。伝統的な中国服の細部だけでなく、京劇のくまどりや染付、刺繍、切り紙などの中国芸術要素も、国際ブランドのデザインに出現している。これは中国市場に対する配慮であるが、異なる文化から触発された新たなデザインのインスピレーションでもある。
ファッション界のモンスターと呼ばれる「Vogue」誌のアナ・ウィンター編集長はかつて、「中国要素は常にファッション界に影響を与え続けてきた。この風は吹けば吹くほど強くなる。多くの国際レベルのデザイナーが、中国スタイルのドレスをデザインしている。このことは、中国要素が国際ファッション界で極めて重要な地位を占めていることを意味する」と述べている。
ロシアメディアは、著名な西洋ファッションブランドが東洋に注目し、龍や鳳凰など中国要素を服飾に採り入れ、伝統的形式を主としながらも色彩、スカートや袖の長さ、様式、材料などを使った様々な味付けを行っていることに注目する。詰襟や中国風ボタンを使ったデザインによって、スカートに東洋式の優雅さをもたらす。それらが西洋のファッションリーダーを魅了している。
ロシアのニュースサイト「スプートニク」は、中国の伝統的チャイナドレスは依然として公的レセプションでの伝統的服装であり、西洋の客人も中国の礼儀に学ぼうと努力している。たとえば昨年11月、アメリカのファーストレディであるメラニア婦人は、アメリカ大統領と共に中国を訪問した。レセプションに現れた婦人が着ていたのはまさに、国際有名ブランドの華麗なチャイナドレスだった。そこには刺繍と赤いカシミヤの花があしらわれていた。