国際的に著名なファッションアナリストのビクトリア・クレア氏は、「伝統衣装を着る意味は、接待する側に対する尊重と敬愛を表明するものだ。中国のチャイナドレスは、これまで古びたことがない。現在、世界有名ブランド店の多くが、アジア市場向けのデザインを専門としつつある。洋服に桜の花びらを添えたり、中国の椀の欠片を加えたり、京劇のシーンを取り入れたりしている」と述べる。
フランス通信社は、同現象は中国の古代ファッションが復活したことを意味するだけでなく、中国人が民族文化に対する共感が高まっていることを示すものだと指摘する。
シンガポール紙「聯合早報」のウェブ版記事は、「中国スタイルは国際ファッションの中で流行しており、世界市場における中国の地位の向上を一定程度示すものである。ファッション産業において、ブランドやデザイン、業界人の国際的影響力というものは、国家のソフトパワーを示すものの1つである」と評する。
ロシアのニュースサイト「スプートニク」は、現代ファッションに中国要素を取り入れることが人気なのは、国際秩序の変化を示すものだと主張する。「そこには経済的要因も含まれる。かつて西洋のデザイナーは中国要素を大量に取り入れることはなかったが、いまではとてもおしゃれだと考えている」。同記事は、国際的に有名なデザイナーの言葉を借りながら、そこには中国を含むアジア市場のニーズを満足させる意味も含まれると述べる。
米誌「フォーブス」ウェブサイト版は、「中国は、世界の主要ファッションブランドメーカーの工場所在地である。長年に渡る経済発展の後、同国は世界の高級ブランドやファッションブランドにとって世界一重要な市場の1つとなった」と報じる。
米マッキンゼー・アンド・カンパニーと英ファッションメディア「ビジネス・オブ・ファッション」は「2019年ファッション業界レポート」において、「2019年は、グレーターチャイナ地区が数百年ぶりにアメリカを追い越し、世界最大のファッション市場になった歴史的な年となるだろう」と評する。