冬入り前、最後の貧困農牧民が生存環境の過酷な高原の山奥及び砂漠の奥地を抜け出し、オアシスと平原に移動し、国と地方政府が補助する安全な住宅に入居した。新疆はこれにて、第13次五カ年計画の「易地扶貧搬遷」(貧困農家を立地条件の良い場所へ移住させる貧困対策)を全面的に完了した。4万146世帯の16万9400人が喜び新居に移住した。
カシュガル地区葉城県阿克塔什移住受入区は2017年以降、現地の山間部の3郷鎮で暮らす3150世帯・1万4000人の貧困者を受け入れた。新疆最大の易地搬遷受入区になった。
吐拉麦提・吐尼亜孜さん(58)は「新居は機能が揃っており、ベッドを購入し、さらに布団、衣服、簡単な日用品を持ち込めば生活を開始できる」と話した。昨年11月に洪水災害が多発する棋盤郷喀拉硝村から引っ越してから、彼の一家の生活には大きな変化が生じた。
彼と同様、新疆南部の各受入区に移住した農牧民は、居住環境が大幅に改善された。衣食住、義務教育、基本医療、住宅安全が保証された。就職先が増え、貧困世帯の所得が増加した。
新疆は1年前に崑崙山エリアにて、地域を跨ぐ郷鎮全体の移住を実施した。その受入先が、カシュガル地区沢普県桐安郷だ。ここには安全な住宅、上下水道、送電網、道路、ガスなどの公共サービス施設のほか、幼稚園、小学校、衛生院、村民活動センター、花園広場がある。
貧困地域からの移住、居住条件の改善を踏まえた上で、現地政府はさらに企業を誘致し、村人の就職・創業を奨励するといった措置を講じた。これにより移住者を安定させ、富を築けるようにした。阿克塔什移住受入区に誘致された工場7社は、4000人分以上の雇用枠を創出した。各世帯の1人以上の安定的な雇用を実現した。また日増しに改善される付帯プロジェクトも、貧困世帯に自主創業・就職の場を提供している。
桐安郷はすでに102店の商店、98区画の自由市場を建設し、移住者に提供している。桐安郷党委書記の王守輝氏は「移住者は就職後、仕事と収入を手にし、精神的にも充実している」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年12月9日