海外メディアによると、米国政府は国際協力と理解に新たな打撃を与えた。世界貿易機関(WTO)の164の加盟国の紛争を処理する最も重要な手段の1つであるWTO上級委員会が10日深夜、機能不全に陥った。
EFE通信の報道によると、WTO上級委員会はWTO紛争処理メカニズムの最終段階にあたるものだ。
紛争案件はまず、WTOの専門家チームが検討し、その判断は審議を経て上級委員会に引き渡され、上級委員会はその判断の全てについて修正を加えることができる。
上級委員会の決定には拘束力があり、申立てを行った当事者は決定事項を実行する必要がある。
米国の上級委員会に対する不満はブッシュ政権時代にはじまり、オバマ政権時代も続いた。そして全ての多国間メカニズムに全面的に反対するトランプ政権の登場に伴い、この不満は一段と強まった。
報道は、「米国がWTOが苦境に陥るのを望んでいるかのようだ」と指摘する。そうなれば、追加関税や貿易取引の規制を行っても報復を心配する必要がないからだ。