2019年が終わりに近づくなか、各業界は今年の総まとめに入っている。中国の高速鉄道は今年、どのような「新たな成績」を記録したのだろうか。
中国国家鉄路集団公司(以下「同社」)が26日に発表した情報によると、中国の高速鉄道の営業距離は年末までに3万5000キロに達する見通しだ。今年開通した高速鉄道の距離は5000キロ以上で、4年ぶりの規模となった。
同社の統計データによると、昨年末の中国の高速鉄道の営業距離は2万9900キロだった。鉄道部門は今年、通年で50件のプロジェクトが稼働開始し、新設線路が7000キロ以上にのぼると予想している。
年末までに10数本の新設線路が、高速鉄道の「大家庭」に加わる。5000キロの高速鉄道は東西南北の各地に分布し、多くの一般人がスムーズな移動の幸福感を味わうことになる。
中原では、鄭渝高速鉄道の鄭州〜襄陽区間、鄭州〜阜陽高速鉄道、京港高速鉄道商丘〜合肥区間が12月上旬に開通した。南陽や周口などの都市に初めて高速鉄道が通った。
山東省、貴州省、四川省では、日蘭高速鉄道日曲区間、成貴高速鉄道宜賓〜貴陽区間が開通した。これにより臨沂や畢節などの革命老区及び貧困地域が全国高速鉄道網に接続した。
黔常鉄道と昌贛客運鉄道が26日に開通した。前者は恩施、湘西、張家界などを「人の世」に近づける。後者は全線に13駅を設け、駅間の距離は平均34.5キロ。ほぼすべての県に駅を設置。
同社は「グリーンプロジェクト」の理念をさらに強化した。中鉄北京局は東晋の詩人・陶淵明の「桃花源記」に描かれている桃花源の所在地で、新時代新農村高速鉄道模範駅「桃源駅」(黔常鉄道)を設置した。駅は伝統的な趣のあるアーチ型の屋根を採用しており、国内では珍しい非対称かつバランスの取れた形をしている。詩に描かれた雰囲気に浸ることができる。
同社の建設能力も進歩を続けている。昌贛客運鉄道には「世界直結軌道第一橋」がある。10階建てビルの高さの昌贛客運鉄道贛州贛江特大橋に立ち遠くを眺めると、章江と貢水が八鏡台の下で交わり贛江になり、勢いよく流れる。そこから1.9キロ下った所にあるこの「贛江第一橋」は、列車運行時速350キロの大径間高速鉄道斜張橋という世界記録を樹立した。
鉄四院の設計者である厳愛国氏は、「径間が1000メートルある斜張橋は世界で珍しくないが、高速鉄道が通過する場合は通常200メートル以下で、かつ列車の最高運行時速も250キロ以下だ。贛江特大橋のメイン径間は300メートルで、264メートルが箱形桁+コンクリート橋面板という鉄・コンクリート混合構造を採用している。変形しやすい大径間橋の基礎を固めている」と述べた。
さらに設計者は直結軌道の構造層の間に、一定の厚みの弾力性のある隔離緩衝層を設置した。これにより大径間斜張橋の高速直結軌道板の制御制度が0.5ミリ級に向上した。
同社には年末、さらに朗報がある。華北で年内、張呼高速鉄道が大張高速鉄道及び京張高速鉄道と共に開通する。京津冀(北京・天津・河北)地区の旅客は内モンゴル大草原の日帰り旅行を楽しめるようになる。「塞上江南」において、銀川〜中衛鉄道は寧夏回族自治区を高速鉄道の「友人の輪」に入れる。
「4縦4横」がすでに完成し、「8縦8横」高速鉄道主要ルートが密になり、中国が狭くなっている。高速鉄道の切符を持てば、中国を自由に移動できるようになった。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年12月27日