中国文化・観光部、国務院貧困救済弁はこのほど発表した通知で、各地方政府のなかでも特に国家級貧困県に対し、伝統工芸を中心とする各種の無形文化遺産プロジェクトの推進を支援する方針を示した。同プロジェクトでは、鮮明な特色と大きな先導作用を持つ無形文化遺産貧困救済就業工房を設立し、貧困人口による伝統技芸の学習を支えることで、就業と所得増を促進し、貧困脱却の成果を固める。
通知によると、無形文化遺産貧困救済就業工房は、文化・観光行政部門と貧困救済部門が共同で認定および管理を行うと共に、省級文化・観光行政部門に登録される。貧困救済部門は、無形文化遺産貧困救済就業工房を貧困脱却に取り組むプロジェクトとして管理し、全国貧困救済開発情報システムに登録する。
無形文化遺産貧困救済就業工房は、無形文化遺産を通じた着実な貧困救済につながる重要な措置で、大きな成果が上がっている。
文化・観光部、国務院貧困救済弁は2018年7月、第1弾となる「無形文化遺産+貧困救済」重点支援地区10カ所を定め、無形文化遺産貧困救済就業工房の設立を後押しした。それから1年間で、無形文化遺産を通じた着実な貧困救済の後押しは、全国的に効果が広がった。全国393カ所の国家級貧困県と150カ所の省級貧困県で、無形文化遺産を通じた着実な貧困救済の後押しが進められ、全国に設立された無形文化遺産工房は2310カ所、就業者数は46万3800人に上り、登録貧困世帯の貧困脱却を実現した。
重慶市石柱県中益郷では、国家級無形文化遺産の夏布(麻の平織布)を扱う「壹秋堂貧困救済工房」が、現地住民に夏布製織製品の訓練を行った。訓練終了後に、成績が優秀で精巧な製品をつくることができる生徒を従業員として採用、もしくは歩合制契約などの多様な方式を通じて、現地の就業と所得増を促進。就業率は70%に達し、1人当たりの月収は500元から2500元に増えた。