国を挙げて感染症と戦うなか、中国の「三農」(農業・農村・農家)活動を指導する中央1号文書が予定通り発表された。
「農は天下の本なり」中国政府は「三農」活動への重視を強調するため、17年連続で年初に三農問題をめぐる中央1号文書を発表した。中国社会科学院農村発展研究所の李国祥研究員は、中国新聞社の記者に「農業は中国の国民経済において、バラストや安定装置の効果を発揮する。新時代の中国は、発展の不均衡・不十分の問題の解決に取り組む。『三農』は発展が最も不十分な分野の一つだ。中国政府は常に『三農』問題に最も注目している。これは中央1号文書が長年に渡り、何があっても発表されている理由だ」と述べた。
全国の活動の重心が感染対策に置かれるなか、中央1号文書は予定通り発表されたことにより、いっそう特殊な意義が備わった。
清華大学中国農村研究院の張紅宇副院長は、「この時期の中央1号文書の発表は、ちょうどいいタイミングだった。中国の農産物供給保証都市は現在、単なる流通上の問題であるが、感染の持続に伴い生産・供給問題に発展する可能性がある。文書の発表は各地の多くの農家に対して、予定通り春耕し、農業生産を早期再開させるシグナルを発した。農産物の安定的かつ適度な供給を確保し、感染対策の基礎を築かなければならない」と述べた。
今年の中央1号文書は「『三農』分野重点活動の徹底による全面的な小康の期日通りの実現に関する意見」と題された。例年と異なり、今年の文書は2大「軍令」を出し、今年の「三農」活動の▽脱貧困の最後の砦を必ず攻め落とす▽全面的な小康の「三農」分野における目立った弱点を必ず補強する――という2大目標・任務を明らかにした。
李氏はこの2大目標・任務が設定された理由について、「今年は小康社会の全面的な建設という目標を実現する年で、脱貧困攻略戦の勝利がその重要な象徴及び前提条件となる。農業・農村は小康社会の全面的な建設の目立った弱点だ」と指摘した。