中国商務部外国貿易司の李興乾司長は12日のオンライン定例記者会見で、貿易企業の業務再開が加速していることを明らかにした。相次いで打ち出してきた一連の貿易安定化策の効果が徐々に表れだしたのに伴うものだとした上で、次のように述べた。
山東省や安徽省、遼寧省など8省における地方貿易企業の業務再開率は80%を上回ったほか、浙江省や江蘇省、上海市など19省における重点貿易企業の業務再開率はほぼ100%に達した。
1月から2月にかけて、集積回路(IC)や自動車など一部の品質、技術、付加価値の高い製品の輸出については、市況が悪化するなかで逆に伸びがみられた。また、大口商品などの輸入も増加基調を保っている。肉類の輸入量は69.6%増、うちブタ肉は1.6倍増加した。このほか、越境EC(電子商取引)ではオンライン発注や「非対面型」取引の強みを存分に活用して、積極的に業務拡大を図っている。
李司長は、短期的には世界経済もサプライチェーンも新型コロナウイルスによる影響から逃れることはできないだろうと指摘。世界経済も貿易も一定の圧力に直面しているとして、中国の貿易企業は業務再開、新規受注とも一定の影響を受けるとの見方を示した。
一方、中国の貿易産業のサプライチェーン構造は整備されており、高い競争力を備えているため、グローバル・サプライチェーンとの連携は緊密で安定していると述べた。その上で、商務部は感染の拡大状況と企業の業務再開状況に細心の注意を払い、早期の業務再開と所期目標の達成に向けて企業を支援していくと述べた。また、感染拡大の防止に向けて世界各国との協力を強化し、中国の貿易と世界貿易の発展に及ぼす影響を最小限に食い止めるべく努力していく考えを示した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年3月13日