中国は貿易安定と外資安定を引き続き強化している。中国国務院の李克強総理は10日に国務院常務会議を召集し、信用貸付や税収などの面で貿易企業を支援すると同時に、外資参入のネガティブリストの項目をさらに削減することを明確にした。
感染症流行の影響で、中国の貿易、特に輸出情勢は楽観視できない状況である。
公式データによると、今年1~2月の中国の輸出額は2兆400億元で15.9%減、輸入額は2.4%減、輸入超過額は425億9000万元となった。前年同期の輸入超過額は2934億8000万元だった。
中国貿易促進会研究院国際貿易研究部の趙萍主任は取材に対し、感染症流行の影響で、貿易企業は注文の処理と新しい注文の獲得が困難となり、商品輸出のコストが増加し、途絶えた貿易ルートもあり、今年の貿易は前代未聞の厳しさになると話した。
感染症が世界範囲で拡散しているため、国際通貨基金(IMF)は今年の世界経済の成長率予想を2.9%に下方修正した。外需が低迷する中、中国の貿易は今後大きな試練に直面し、事前に備える必要がある。
貿易の安定の強化は、中国の世界産業チェーン、バリューチェーンにおける地位を維持する上で必要である。
中国商務部国際貿易経済協力研究院国際市場研究所の白明副所長は、中国の貿易企業が迅速に正常な運営状態に戻れなければ、国外の顧客は別の協力パートナーを探す可能性があり、これは中国の貿易の長期的発展、産業チェーンとバリューチェーンの安全に不利だとの見解を示した。
今回の国務院常務会議は、「両高一資」(高エネルギー消費・高汚染・資源消費)を除く全ての税金を満額払い戻していない商品に対し税金を満額払い戻すと明確にした。また、融資の元利償還延期など政策を実施し、感染症の影響が大きく見通しが良好な中小・零細貿易企業に関しては再延期の協議も可能。商業保険会社の短期輸出信用保険業務の実施と料率引き下げを支援し、春季広州交易会の準備作業などを進める。
また会議は、金融機関が産業チェーンのコア企業を積極的につなぎ、流動資金融資支援を増やし、限度額を合理的に設定できるよう促す必要があるとした。