中国証券監督管理委員会(証監会)は3月13日、2020年4月1日付で証券会社の外資持株比率規制を撤廃し、条件を満たす域外投資家は法律・法規、証監会の規定、サービスガイドラインに定めに則って、証券会社の設立および支配株主の変更を申請することが可能になると発表した。
中国資本市場の対外開放に伴い、域外投資家は中国資本市場の新鋭軍となりつつある。ここ数年、MSCIやFTSEラッセルなどの国際指数によるA株のウエイト引き上げから、QFIIとRQFIIの制度とルールの継続的な改善、「滬倫通(上海・ロンドン・ストックコネクト)」の開始に至るまで、A株市場における外資の参与度が高まっている。
「株式市場と債券市場の対外開放が加速することで、中国の資本市場は必然的に強大化する」。中国人民大学重陽金融研究院産業部副主任の卞永祖氏は『証券日報』記者に対し、外資の参入障壁が下がれば、資金と外資の豊富なマネジメント経験を取り込むだけでなく人材も呼び込み、中国の不足を補うことができると話した。導入した資金と人材は中国資本市場で活躍し、中国企業の潜在的価値を掘り起こすことができ、中国経済の国際的な競争力も増強されるとの見方を示した。
モルガン・スタンレー証券チーフエコノミストの章俊氏は『証券日報』記者の取材に対し、株式市場と債券市場の対外開放の加速が中国資本市場にとってチャンスにも試練にもなると話した。海外資金の流入は中国資本市場の新たなプライシングと評価を進め、金融市場のプライシングが合理化されると、バリュー投資の割合が持続的に上がると同時に短期的な投機行為が効果的に抑制され、資本市場の運行が一層安定すると説明。また、金融開放で中国資本市場は大きな競争のプレッシャーにさらされるが、良質な競争は金融監督管理とリスク防止の対策メカニズムを改善し、潜在的な金融リスクを大幅に引き下げるとしている。