新型コロナウイルスが世界的に流行し、国際金融市場に大幅な変動が生じ、強く懸念されている。感染状況は世界的な金融危機を引き起こすだろうか。中国の経済、金融市場、金融機関にどのような影響を生むだろうか。
国務院新聞弁公室は22日、北京市で記者会見を開いた。中国人民銀行副総裁の陳甘露氏、中国銀行保険監督管理委員会副主席の周亮氏、中国証券監督管理委員会副主席の李超氏、国家外貨管理局副局長の宣昌能氏が、世界の感染状況の影響への対応、金融市場の安定維持の関連状況について紹介し、記者からの質問に回答した。
世界が金融危機に突入したと断じるのは時期尚早
中国人民銀行副総裁の陳甘露氏
国際的に感染が拡散・蔓延しているが、この影響を受け国際金融市場の変動が激化している。欧米及び多くの新興市場経済体の株価が平均で約30%安となっている。現時点で世界が金融危機に突入したと断じるのは時期尚早だ。
国際金融危機には通常、次の3つの基本的な特徴がある。まず、国際金融市場の市場を跨ぐ持続的な恐慌的下落が存在するか。次に、大量の金融機関、特に重要性の高い金融機関の倒産が発生しているか。それから、世界の実体経済運行に深刻なダメージが生じているかだ。
国際金融市場の変動が現在激化し、多くの国が次々と対策を講じている。これらの措置の効果については、今後の経過を見守る必要がある。
中国金融市場は試練を乗り切り、現在は全体的に安定
中国人民銀行副総裁の陳甘露氏
実際の状況を見ると、国際金融市場の変動が発生した後、中国の金融市場は試練を乗り切った。高い安定性を示し、変動の幅が小さかった。中国の金融市場は現在、全体的に安定運行しており、市場の見通しも比較的安定している。マクロ政策の空間及びツールが十分に確保されている。中国の金融システムの運行は全体的に安定しており、金融市場の見通しも安定している。貸付は安定的かつ順調に成長している。国民経済は感染症の衝撃を乗り切り、世界経済・金融の安定に重大な貢献を成し遂げた。
中国証券監督管理委員会副主席の李超氏
国内の感染対策情勢は持続的に好転している。操業再開、生産・生活の回復は非常に良好な流れを示している。これらは市場の見通し改善に対して決定的な支援力を発揮した。域外市場と比べると、中国の金融市場は全体的に安定している。A株市場は高い強靭性とリスク対応力を示した。A株の変動幅は相対的に見ると小さく、投資家の行為はより理性的だ。現在の株式市場のレバレッジ資金の総量は2015年のピーク時と比べ80%減少しており、担保株が高い割合を占める上場企業の数はピーク時より3分の1減少した。