国際金融市場の変動、中国銀行・保険業への影響は限定的
中国銀行保険監督管理委員会副主席の周亮氏
今回の国際金融市場の変動と、国内経済の減速の圧力の確かな存在により、中国の銀行・保険業に一定の影響が及ぶと判断している。ただし全体的に見ると影響は限定的だ。現実の状況を見ると、銀行業・保険業は全体的に安定運行しており、リスクが急激に拡大する兆しはない。国内の感染対策情勢のさらなる好転に伴い、銀行業・保険業は健康的かつ安定的な発展の良好な流れを維持することになる。
データを見ると、全国のレバレッジ比率はほぼ安定を維持し、金融リスクも従来の拡大から縮小に転じている。過去3年間で銀行業が処理した不良債権は5兆8000億元にのぼり、シャドーバンキング及びクロスファイナンスなどハイリスク事業を16兆元縮小した。問題が生じた一連の金融機関が秩序ある処理を受けている。
中国証券監督管理委員会副主席の李超氏
今年の年初から現在まで、A株市場からおおむね200億元余りの外資が純流出している。過去、特に2019年に外資のA株市場進出が比較的集中し、かつ大規模でもあったため、この1カ月のデータを過去と比べると落差が大きく見える可能性がある。しかし実際にはこの純流出の規模はそれほど大きくなく、かつ外資のA株市場時価総額に占める割合が4%未満であり、取引も非常に大きな割合を占めているわけではない。そのため外資の流動はA株市場に影響を及ぼすが、これは根本的な大きな衝撃ではない。
保険会社の株式投資、30%の規制を適度に緩和
中国銀行保険監督管理委員会副主席の周亮氏
保険会社は現在、中国資本市場における2番手の長期機関投資家となっている。我々の保険資金の運用残高は現在18兆8000億元にのぼり、株式及びファンドの投資規模は2兆元ほどに達しその10.8%を占めている。今後はソルベンシーマージン比率が十分に高く、資産マッチング状況が比較的良好な保険会社について、既存の株式投資の30%の上限の適度な引き上げを認める。
資本市場の改革、感染状況の影響を受けず
中国証券監督管理委員会副主席の李超氏
資本市場の改革開放の活動が感染状況の影響を受けることはない。創業板の改革については、一定範囲内での意見募集など、一定の段階的な研究・論証を行っている。創業板改革は登録制という主線に重点的に取り組むと同時に、発行、上場、情報開示、取引、上場廃止など一連の基礎的な制度について改革の手配を行う。関連作業は現在、秩序正しく推進されている。