中国国外で新型コロナウイルス感染が広がるなか、国際的に金融市場が大きく変動し、グローバル経済の下振れリスクが拡大しており、中国経済の成長も新たな試練を迎えた。22日開催の国務院新聞弁公室記者会見で、中国人民銀行(中央銀行)副行長の陳雨露氏、中国銀行保険監督管理委員会(銀保監会)副主席の周亮氏、中国証券監督管理員会(証監会)副主席の李超氏、国家外為管理局副局長の宣昌能氏は、国際的な感染症流行の影響への対処と、金融市場の安定維持に関する状況を説明した。
周亮氏は、現時点で銀行機関が防疫対策のために行った与信支援が1兆8000億元に上っていると紹介した。1月25日以降、中小・零細企業の20%前後が満期を迎える貸付の元利について返済延期の手続きを行った。1-2月の製造業向け新規貸付は2500億元と、前年同引き比べ大幅に増えている。
海外に比べ、中国の金融市場は全体的に平穏で、A株市場が比較的強い靭性と耐リスク能力を示し、市場の変動幅も小さく、投資家は理性的に行動している。これについて李超氏は、金融システムの供給側構造改革を持続的に深化させ、一部を前倒しで完了させた上、市場レバレッジ引き下げなどのリスク緩和措置を講じた効果があったとの見解を示した。株式の担保リスクに対しては、ストックの縮小と新規設定の抑制といった措置を講じたほか、取引監督管理の改善と透明性の向上を図ったとしている。
李超氏は、春節(旧正月)明けのA株市場が正常に始まったと指摘。証監会が市場メカニズムの作用を発揮させ、行政介入をせず、市場が自己調節機能を働かせ、金融市場の全体的なスムーズな運行を維持しており、リスク緩和と投資家マインドの回復が進んだとしている。