中国農業農村部の責任者は28日、国務院の新型コロナウイルス対策共同防疫に関する記者会見で、食料安全保障と農民の所得増加、「三農(農村、農業、農民)」の脆弱分野の早急な補強という重点課題に対し、強力かつ有効な措置を講じる方針を示した。新型コロナウイルスの感染拡大がもたらす損失を最小限に抑え、小康社会(ややゆとりのある社会)を全面的に実現し、貧困脱却という難題を解決するため、力強い支援を提供する。
新型コロナの影響により、郷里に戻った農民工(農村からの出稼ぎ労働者)が都市部に戻れず、帰省先に留まったままになっていることが今、農村部で大きな問題となっている。農業農村部郷村産業発展司の曽衍徳司長は、他の関係部門と共同で、「再就農の安定」「プロジェクトの誘致」「革新的な業態の育成」「起業支援」「公益事業への就労支援」という5つの施策を打ち出す方針を示した。農民工の雇用促進と所得増加を図ることで、暮らしを豊かにする考え。
曽氏は、「農業の産業化を担うリーディングカンパニーは農村の産業振興を先導するが、こうした企業が操業・生産を全面再開することは、新型コロナ防止の取り組みの中で大きな役割を果たすことになる」と指摘。リーディングカンパニーがワークシェアリングや柔軟な働き方などを促進することで、大量の雇用が生み出され、うち70%を農民工の雇用につなげることができる。また、注文や購入、利益還元、株式配当などを通じて、小規模農家が巨大市場へ効果的にアクセスできるようにすれば、農民がサプライチェーンから付加価値と利益を共有できるようになるとの見方を示した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年4月29日