今回の新型コロナウイルス感染症は典型的な重大突発公衆衛生事件だ。感染症狙撃戦において、中国の社会保障はリスクに対応しこれを解消する伝統的な機能を発揮し、操業再開と経済・社会の秩序回復に力強い支えを提供した。中国の特色ある社会保障体制の優位性が、感染対策において十分に示された。
社会保障の感染対策における力は、主に次の5つの面で示された。(1)効果的な医療保障措置を速やかに講じ、患者及び家族の治療費という後顧の憂いを払拭した。(2)感染対策において職責を果たし新型コロナウイルスに感染した、もしくは死亡した医療従事者及び関係者の労災を認定し、その合法的な権益を保障することを明確にした。(3)一連の社会救助措置と生活保障政策を打ち出し、関連人員の基本的な生活を保障した。(4)各種社会福利機関への管理を強化し、高齢者、障害者、子供などの命の安全と身体の健康を守った。(5)社会組織が積極的に行動し、慈善事業が感染対策を支えた。
中国の感染対策の好転の流れがさらに固まるなか、感染対策及び経済・社会の発展を統一的に推進する中央の方針に基づき、操業再開の支援の面でも社会保障が積極的な力を発揮している。(1)社会保険料の企業負担を軽減し、企業の難関突破を支援した。国務院の関連部門は各種社会保険料及び住宅公共積立金の「減免、猶予」などの措置を講じ、かつ地域別・企業別の正確な施策を行った。初歩的な統計によると、2月の養老・失業・労災の3種の社会保険料の減免は1239億元にのぼった。2−6月の減免は5000億元以上にのぼる見通しだ。これは企業の操業再開を力強く支えた。(2)失業保険の機能を十分に発揮した。失業保険制度には典型的な経済の反周期性がある。今回の感染症により多くの企業が予定通り操業再開できなくなり、労働者は速やかに職場に戻れなくなった。労使双方に大きな影響が生じた。そこで関連部門は規定を打ち出し、湖北省などの感染状況の深刻な地域で感染症の影響を受け失業した保険加入者は失業保険基金を通じ、現地の失業保険金基準以内の失業給付を受け取れるとした。感染対策期間中に人員を削減しなかった、もしくは人員削減を抑えた中小企業については、一定の割合に基づき失業保険金を還付するとした。現在すでに128万社が失業保険雇用安定化支援金として186億元を受け取り、従業員4230万人に利益が届いている。(3)オンライン手続きの普及に取り組み、サービス効率を高め感染リスクを下げた。感染対策において、各種社会保障取扱機関が積極的にオンライン手続き、携帯電話による手続きを普及させた。以前であれば現場の「フェイス・トゥ・フェイス」が必要だった手続きのオンライン化が実現された。集団感染のリスクを下げ、サービス効率を上げた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年5月3日