今年に入り、中央政府は新型インフラ建設に関する重要戦略を何度も打ち出し、多くの省が発表した2020年重大投資プロジェクトにも「新インフラ」が登場している。4月20日に開かれた国家発展改革委員会の記者会見で、担当者は新インフラ分野を定義し、新インフラ発展の重点と発展方向を初期的に明確にした。
全体的な規模を見ると、新インフラは割合の小さい新興力であり、方針と柔軟性を決定づける。旧インフラは割合の大きい中堅力であり、速度と安定性を決定づける。そのため、新インフラは、規模ではなく質を重視すべきである。まず、伝統のインフラの経済成長牽引力が弱まる中、新インフラには伝統のインフラ固有の投資安定作用があるだけでなく、伝統のインフラより高い乗数効果がある。5G通信だけでも、2025年までに建設投資は1兆2000億元に達する見通し。また、新インフラは次世代IT、ハイエンド設備、人材、知識などのハイエンド要素の投入を促し、中国経済のモデル転換に原動力を提供する。
新インフラの「新」は主に以下の3つの面に現れる。1つ目は技術の「新」。新インフラは主にクラウドコンピューティング、ビッグデータ、IoT、人工知能(AI)、ブロックチェーンなどの次世代ITを拠り所とし、中国のデジタル経済、戦略的新興産業、現代サービス業の発展に需要の媒体を提供する。2つ目は、モデルの「新」。新インフラは新技術の産業化を加速させ、大量の革新的応用と産業形態を生み、新供給を拡大し、新たな経済モデルを形成する。3つ目は、分野の「新」。新インフラは鉄道、道路、橋梁などをはじめとする伝統のインフラと異なり、新しい応用分野を持ち、情報インフラをはじめとする新インフラはより多くのネットワーク効果、プラットフォーム効果、活性化効果を提供し、一連の新技術、新商品、新モデル、新業態を大量に生み出す。5G携帯電話、IoT、スマートシティなどがそうである。
各地は新インフラ投資を強化すると同時に、各分野の内包と関係を十分に理解すべきで、新インフラ分野への投資は必要だと簡単に認識してはならない。現地の実際の発展レベルに着目し、各種のインフラ建設の相乗効果を発揮させるだけでなく、過剰投資や重複建設といった問題を回避する必要もある。
1つ目は、最上部の計画。まず、大局の観念を強化し、「十四五計画」(第14次五カ年計画)と合わせ、デジタル経済発展計画の中で新インフラ推進計画を研究し、人力、財力、用地、組織、奨励の持効性メカニズムを保障し、将来のデジタル経済発展の「新基礎」を固める必要がある。次に、国営・民間企業の各方面の力を協調させ、民間企業の資金や技術などの投入を支援し、中国企業全体の科学技術レベルと国際競争力を持続的に向上させなければいけない。
2つ目は、末端のニーズとの接続。新インフラが放出する巨大な市場ニーズは上下流産業の応用によって消化する必要があるため、次世代通信インフラをはじめとする「新ネットワーク」建設、革新的インフラをはじめとする「新施設」建設、AIなどの一体化融合インフラをはじめとする「新プラットフォーム」建設、スマート化端末インフラをはじめとする「新端末」建設などを加速化する必要がある。
3つ目は、社会資本の共同参与の誘導。新インフラの推進に中央と地方の支持は欠かせないが、政府の力だけでは足りない。新インフラと伝統のインフラの大きな特徴の違いは技術力である。技術イノベーションは建設と発展のコア問題であり、市場主体、特に先進科学技術企業の参与を促すことが重要となる。そのため、市場主体を参与させるには、政府と社会資本に協力を促す必要がある。政府部門は産業に基金やPPPプロジェクトなどの優位性を発揮させ、各分野の社会資本参与を促し、市場が資源配分において決定的な役割を発揮し、新インフラの融資ルートを開拓できるようにすべきである。
4つ目は、「集団心理」の回避、重複建設の回避。まず、企業の加工製造分野への一斉投資、産業チェーン体系の構築とコアパーツの自主生産能力の形成への軽視、産業のローエンド化発展を避ける必要がある。次に、現地の市場ニーズに合わせて合理的な運営モデルを制定すべきである。盲目的に建設すれば、新インフラが各地政府または企業の負担になり、持続的かつ健全な発展にマイナスになる可能性がある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2020年5月16日